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「興味をもったことは、試しに取り組んでみよう」
やました糖尿病内科
山下 哲二 代表
- 2016/1/25
料理教室も開ける?「キッチン」のある医院
糖尿病患者の方が食事や運動を正しく実践するには、どのようなことが必要だと考えられたのでしょうか?
糖尿病学の有名な教科書である「ジョスリン糖尿病学」には、理論をしっかり教えてあげることで治療に繋がると書かれています。総合病院では「教育入院」というものがあります。
一般の方々に糖尿病の知識を学んでもらうために2週間ほど実際に入院生活を体験してもらう制度ですが、病院のスタッフも、半年したら教育入院の効き目が薄れてくるのを認めています。
私もその本を読んで「しっかり教育してそれから実践」と思いこんでいたのですが、例のシンポジウムのこともあり、「まずはちょっと実践してみよう」ということをコンセプトに糖尿病治療をしていこうと考えました。
具体的には、患者さんが診察して結果を待つ10数分の間にちょっと料理したり、薬を処方されるまでの間に軽く運動して頂くことです。しかし病院の中では中々自分の思い通りに行かないので、これも「まずは実践だ」と心を決めてここを開業したのです。
キッチンが付いている病院は初めて見ました。
野菜料理を一品作ったり、5分ばかり運動をしたからといってすぐに血糖値が良くなるわけでもないのですが、ライフスタイルを考え直すきっかけにはなるのかなと期待しています。
本格的な料理教室をするクリニックも全国には何軒かありますが、予め日時を決める形だとサラリーマンなど働き盛りの人は都合が合わず参加しづらいので、診察に来られた方なら誰でも気軽にできる形にしたいという方針で作りました。
実際に、ここに来て初めて包丁を持ちましたという方もいらっしゃって、ここで紹介したメニューを家でも子供と一緒に作るようになりましたという方もおられます。
全く新しいコンセプトで開業したということですが、苦労したことはなかったのでしょうか?
前例がないことだったので、失敗するかもしれないという不安はありましたし、実際先輩からは反対されました(笑)だから、意固地になって絶対やってみせると言いました。
ところが開業するにあたり、料理のメニューや医院の運営について、先駆者を参考にしようと調べてみたら、同じことをしている医院がどこにもなかったのです。
単純な発想で始めたのに実は全国で初めてのことだったかもしれないと気付きました。他県の人とやり取りをしたり、私や当院のスタッフが研究会などで県外に行くと、「そんなのは初めて聞きました」と珍しがられます。
それでも開業して今まで1年以上続いているのはすごいと思います。
理論も大事だけどまず実践してみようという考えを土台にして、間違いなかったのだと思います。来て頂いている方の笑顔が増えているので、満足して頂けていると感じていますから。
また先程咀嚼の話をしましたが、管理栄養士さんが作った料理を患者さんに通院のたびに食べてもらい、30回噛むことを繰り返していたら、普段の噛む回数が最初の5回から15回に増えたこともあります。
今まで患者さんの噛む回数が増えることなんてそうそう無かったので、これは私の中では画期的なことです。
会社概要
社名:やました糖尿病内科
代表名:山下 哲二
住所:愛媛県松山市一番町2-4-8 久保豊一番町ビル2階
TEL:089-948-8484
URL:http://yamashita-tounyoubyou-naika.jp
事業内容:・医療業/福祉
サービス紹介
『設備紹介① キッチン』
当院では、採血が済んで診察までの待ち時間を利用して、10分程度で作れる野菜中心の調理をしていただく
”ちょっと料理”
を実施しています。
包丁を持った事がない男性も気楽に参加でき、野菜を食べる習慣がつくことを期待しています。
『設備紹介② 運動スペース』
診察の前にお話を伺う療養相談室に、ストレッチマットとミラーを置いており、待ち時間に運動ができます。
歩行に加えてストレッチ、体幹トレーニング、チューブトレーニングなどを行うことで、血糖値の改善だけでなく、転倒/骨折/寝たきり予防にも効果があります。