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「考えるだけでなく、行動を。」

NPO法人 NEXT CONEXION
越智 大貴 代表

  • 2015/12/9
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すべては「勉強って何でしないといけないんだろう」という疑問から始まった。学校教育に足りないのは、社会への「リアリティ」だ

学生時代はどのように過ごされていましたか?

 中学高校は部活に打ち込んでいて、学校は私立の進学校に行ってました。友達は親が医者や東大出身が多いこともあり、みんな医学部や東大を目指していましたね。周りの子が親をロールモデルにして勉学に邁進している中、私自身は勉強に対する動機がなく、勉強に対して意味を見いだせませんでした。

 「何で勉強ってしなくてはいけないんだろう」と時が経つにつれて勉強が嫌いになっていきましたし、当時は「勉強をやらされてる感」がすごくありましたね。

 勉強って褒められるためにやってるところがありますよね。できれば褒められる、けど褒められない時は何でこんな苦しい思いをしながら勉強しないといけないんだろうと疑問に思ってしまう。

 私の場合、たまたま私立の進学校を受験したら受かってしまい、受かったら受かったで塾のみんなと寮生活ができると思っていたこともあり、高校の勉強に対する動機付けが薄く、高校生活を楽観的に捉えていました。なので周りの子たちから取り残されて行ったのでしょうね。勉強に対する疑問を持ったまま大学に入学したため、大学でも勉強にあまり身が入りませんでした。

 大学入学当初はサークルに打ち込んでいましたが、学年が上がるにつれ、このままではいけないなと思い始めました。その頃は母校の部活でコーチをしていた時期だったのですが、ちょうどそこの学生に「社会の科目がよくわからないので教えて下さい」と言われたことをきっかけに家庭教師を始めました。

 人に教えるためには自身も学ばなくてはいけない、という動機で始めた勉強はすごく面白かったのを覚えています。どうすればわかりやすく伝えらるのか、伝えるためにはどのように分解して段階付けて教えればいいのかなど、めちゃくちゃ考えましたね。その頃から少しずつ勉強に対する意識が変わり始めました。

 大きく変わったきっかけは大学4回生の時に教育実習で母校の戻った時、高校生たちに「何で勉強ってしないといけないの」と言われた時ですね。「自分って特別じゃなかったんだ。みんな同じような悩みを持っているんだ」ということに気づきました。みんな同じ悩みを持っているなら、なんとかしなくていけないよなと思い、改めて学校の授業とは何なのか、何が問題の根底にあるのか考えはじめました。

 勉強嫌いだった自分自身の経験も振り返りつつ、問題を突き詰めていった結果、自分が出した答えは「学校の授業にはリアリティがない」というものでした。自分がこれから出て行こうとしている世の中のことに授業が全然リンクしていない。暗記が中心なのでつまらない。じゃあ世の中の現場と学校の授業を繋げようと思ったことが今の活動に繋がっています。

勉強を好きになった前と後にどのような違いがありますか?

 「塾の講師をやりはじめ、人に教えるということを通して勉強が面白くなったこと」「母校での教育実習で自分は特別ではなく、周りの子もにたような思いを抱いていたことに気づいたこと」、この二点が今の活動に繋がっています。

 塾でバイトしていた時、生徒に教えていましたが、生徒は多分楽しくなかったでしょうね笑。一方的な講義をしていましたから。話は面白いとは言ってくれましたが、おそらくほとんど理解はできていなかったと思います。一方通行の授業は生徒の学力向上に本当に役立っているのか。教育実習に行くことで、授業の仕方に対する疑問がさらに増しましたね。

教育実習、ということは教員になることを目指されていたのでしょうか?

 私は中学の頃からずっと教師を目指していました。ただ大学院二回生の時に母校が教師を募集していないということを知ったため、就職の際は松山市内にある別の私立の学校に応募をしました。なので教員採用試験の勉強をしたことがありません。少しだけテキストをめくったことはありますけどね。

 教職についたのは大学院卒業後で、科目は世界史を担当していました。学生たちは教科書通り縄文時代くらいから授業が始まるのかな、と予想していたみたいですが、私はそこから始めませんでした。従来の方法では生徒が興味を持ってくれないだろうと思ったからです。

 勉強を教える中で難しいと感じるのは、生徒たちは世の中の事実をほとんど知らないといこと、そして授業に対してリアリティを感じれる環境がないという二点においてですね。学生自身もそれが原因で暗記科目の世界史を苦手としている傾向があるように感じます。なので出来るだけリアリティを感じられるように新聞記事を見せるだけでなく、映像を見せたりと、生徒達が興味関心を持つのは何なのかずっと考え、工夫し、実行していました。

 例えば2012年頃だと、当時話題になっていた9.11に起こったアメリカ同時多発テロについて教 え、そこから冷戦構造、市民革命、宗教の始まりと少しずつ歴史をさかのぼっていきました。 こういった歴史を知らなくて後悔するのは子供達なんですよね。何も知らずに外国に行って 差別や宗教観の対立に出くわし、知識がないゆえに被害を受けたり、損をしたりして欲しくはありませんからね。

新聞や映像を用いた双方向型の授業をされていた、ということでしょうか?

 そうですね。いわゆるワークショップと呼ばれる形式の授業で生徒に教えていました。逆に教科書を使った授業はあまり得意ではなかったです。ワークショップ形式でずっと生徒に教えてきてからでしょうね。学校の先生は私の正反対で教科書を中心とした講義型の授業が得意ですが、ワークショップ形式で教えることができる人はあまりいないように思います。

 ちなみにこの授業方法を取り入れ始めたのは、学生時代に学生団体を始めた時です。なので教員時代は教科書をほとんど使いませんでした。学校からは活動と授業は分けてくれと言われていたので、ちゃんと試験などに出る教科書の部分と映像・ニュースを使用した授業は分けてはいました。しかしほぼほぼオリジナルに近い授業を提供していました。勤めていた高校がたまたま私立で、柔軟に授業内容を変更できたことが幸いしましたね笑

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会社概要

社名:NPO法人 NEXT CONEXION
代表名:越智 大貴
住所:愛媛県松山市山越1丁目15-33
事業内容:・教育業/学習支援業/カウンセリング ・NPO/NGOこども・若者とよのなかをつなぐ活動から、地域交流・活性化につなげる活動 ・教育機関や社会福祉施設と協力した学びの提供

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