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紳士を目指し、自分流に楽しめ!
有限会社夢想庵
井上 栄一 代表取締役
- 2019/9/11
戦略、智略、計略全てなし。あるのは感動、「ゆめまぼろし」のひと時なり。
バーテンダーの大会で日本一になってからはどうされたのですか?
日本一になってからは東京に店を出すつもりで物件探しに奔走していました。しかし、自分一人の力では費用の面で無理だとわかり、東京出店は資金が出来てからすることにしました。
その資金作りのために松山で再スタートさせたのがこの「Bar ゆめまぼろし」です。何度か東京出店のチャンスはありましたが、やっぱりこの松山が好きなので次第に東京へ進出する気持ちはなくなっていき、今は、まあまあのんびりと、無理しないようにできたらいいなと思っています。
オープンされた当初、具体的な事業戦略はありましたか?
特に明確な経営戦略や事業計画があったわけではなく、丼勘定に近かったですが、人との出会いに助けられた面も大きかったと思います。
ただ、私が日本一になったことを知って来られたお客様だろうと、そのことを知らないお客様だろうと、来店された方には「一番いいパフォーマンスを発揮し感動を与える」という想いを、日々仕事としてカタチにする努力は精一杯しました。
お金をいただくためには、それに値するだけの感動をしていただきたい。「なんだぁ」と落胆されないための店づくり、自分自身のバーテンダーとしての「パフォーマンス」に今も昔も尽力しています。
お店の中に信長の甲冑や書など、信長にまつわるものが多いのはどうしてですか?
店に信長にまつわるものが多いのも、私個人の好みであり思いつきです。ゆめまぼろしと言う店名も信長をイメージして名付けました。
私自身、信長のことが大好きで、その信長が好きだったとされる、平敦盛が作った「敦盛」という詞章があります。その中で「人間五十年、下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり・・・」という一節があります。この節を信長が愛読しており、信長は自分の部下を宴席に招いた時に、ただの詞だったこの部分を詠(うた)い、舞に舞ったと伝えられています。
この詞の意味は、人の一生は天人に比べれば、夢や幻のように儚いものだと言う意味です。信長が好きだったこの詞のなかの「夢幻」の部分から店名を取りました。
当時の宴席の場のように、人と会ってお酒を飲んで話をする時は、ただお酒を飲むという一時の時間であったとしても、「夢幻(ゆめまぼろし)」のような素敵な時間にしていただきたいという願いを込めてこの店名にしました。
特に信長が好きな理由としては、信長が今の日本の政治家にいて欲しいと思えるような、とても頼りになる素敵な男だと憧れるからです。信長は我々日本の歴史の始まりを作った人でもあり、そんな漢気のある信長が大好きです。
だから看板カクテルの名前が「信長」なのですね。
はい、こういう私の想いもありまして、ゆめまぼろしの看板メニューとして出させていただいている「カクテル 信長」はおかげさまで一番人気のメニューになっております。
信長自身はお酒が飲めず、その代わりに先ほどの詞に節をつけて舞を舞ったとされています。お酒に弱かった信長でも飲めるようなカクテルを作りたいと思ったのが最初でした。ベースは日本酒ですが、そこにウォッカ、グレープフルーツを入れて仕上げ、日本酒をより飲みやすく作りました。
Barゆめまぼろしの他に、何か事業をされているのであれば教えてください。
貸別荘「バケーションハウス オーシャンフロント瀬戸内」を経営しており、場所はカフェNORTHSHORE.MATSUYAMAの2階になります。
今回なぜ「バケーションハウス オーシャンフロント瀬戸内」という貸別荘を経営されることになったのですか?
冒頭でもお話しましたが、私は船が好きで、自家用船を持って長年船遊びを楽しんでいました。「将来的に海辺に家を建てたいな」と思いあの土地を購入しました。
そもそも事業計画もなく、ただ「この場所で海を見ながら過ごすのは至福だろうな」と思っただけでした。そのような考えでそこに別荘を建てて過ごし、美しい瀬戸内の島々が織りなす絶景を眺め楽しんでいました。
しかし、次第に「こんな綺麗な景色を自分一人で楽しむのはもったいない。もっといろんな人にこの海の景色を楽しんでもらおう、感動してもらおう!」と考えるようになりました。
この場所のこの景色を、日本中、世界中の人に味わっていただきたいという想いで、「オーシャンフロント瀬戸内」と名付け、今年の8月8日から貸別荘としてオープンしました。
もし井上代表が学生に戻ったとしたら、どういう生き方をされますか?
もし私自身が学生に戻ったとするならば、生き方の選択肢は大きく2つあると思います。
一つは堅実に会社のルールに沿って進んでいく生き方。もう一つはレールを自ら敷きながら生きていく生き方。この2つです。
どちらがいいとも言えませんし、選べません。会社の一員として安定を求めて生きていくのも幸せでしょうし、自分流に自分のしたいことをやっていくのも面白いでしょう。楽しく生きるのであればどのような選択をしてもいいと思います。
最後に学生へのメッセージをお願いします。
私自身、その時その時に興味を持ったことを一目散に追求してきました。
最も大切にしているのは「見る・聞く・体験する」です。感じたことに臨機応変に対応する柔軟な気持ちと、自由な発想と発見で、常にフレッシュな気持ちで一生に一度しかない大切な毎日を楽しんでいます。
けれどもただ自由になんでもするのではなく、マナーや礼儀、社会的規範などはしっかり守り、節度を持って紳士な男になれるように生きてきましたし、これからももっともっと紳士的な人間になりたいです。
だから学生の皆さんにも、マナーを守り、強く優しい紳士的になることは忘れず、あとは自分の楽しいように生きていく、そんな人生を歩んでいって欲しいと思います。
インタビュアーより
井上代表は纏うオーラが圧倒的で、お話を伺う中でそのオーラの根源は今までされてきた数々のご経験から滲み出ているのだと思いました。
しかしそういった強さの裏にとても温かな優しさを感じ、代表はまだ紳士ではないとおっしゃられていましたが、私にはとっても紳士的な方だと感じました。
私も代表のような漢を目指し、これから様々な経験を積んで行きたいと思います。井上代表、お忙しい中にも関わらず、取材を快諾してくださりありがとうございました。
松山大学 経営学部 3年次生
山田 智也
会社概要
社名:有限会社夢想庵
代表名:井上 栄一
住所:愛媛県松山市一番町1丁目6-12 夢想庵壱番館
TEL:089-931-8638
事業内容:・宿泊業/飲食業