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「若いうちに大都市で経験を積んでください」

株式会社 五十崎社中
齋藤 宏之 代表取締役

  • 2015/4/14
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人との出会いと大切にしていること

大河原
最初はギルディング職人のガボー・ウルヴィツキさんとの出会いで立ち上げたということですが、初対面の外国人と一緒に仕事をするというのもまた、言葉の壁などがあって大変だったと思います。

齋藤
仰る通りでした。そもそも彼との出会いは、中小企業庁の「JAPANブランド育成支援事業」に内子町が採択されまして、パリの見本市に出展した際にフランスから新しい技術を持った方を招聘しようという話があった時なので、お互い全く知らないところからのスタートでした。
彼も流石に職人だけあって、最初は金箔の技も簡単には教えてくれなかったのですが、あれこれと試行錯誤をしていく中で信頼関係が出来てからは、金箔の技も教わって和紙とギルディングが融合した作品を作れるようになったのです。

大河原
なるほど。ガボーさんとの出会いで会社を立ち上げられてから、今まで齋藤代表がずっと会社の舵取りをされてきたのだと思いますが、その中で、どのような製品・商品を作っていこうとか、齋藤代表なりの和紙製品作りへの想い等が芽生えてきたのではないでしょうか 、 

齋藤
はい。元々は壁紙からスタートしましたが、和紙というものは幅広く使える素材なので色々な人とコラボをして、京都の表具師さんなどともコラボをして、今でははがきやブックカバーなも作っています。ギルディングの技自体は当社にしかないのでそこが一番の強みではあるのですが、それに無理にこだわらずに、和紙の特性を活かして出来る限りのありとあらゆる試行錯誤をして、今後は色々と面白い、ぶっ飛んだものとかも作れればいいと思います。
例えば今年は、和紙の小皿を作ってミラノ万博に出展することになりましたし、そのように日本を代表する中の一社として国内外でのPR活動に参加させて頂くことも多くなってきました。

大河原
万博に出展とはすごいと思います。技術とアイデアが世界中の人々に注目されているのですね。

齋藤
そうですね、頑張って営業しているので、今回のインタビューもそうだと思いますが、徐々にメディアなどで取上げて頂く機会も多くなっています。

大河原
様々な取り組みをして、職人さんとも遣り取りをしたりして、ここまで注目されるようになるまでには、何か大事な考えや信念を持って取り組んできたことがあるのではないかと思いますが、よろしければ教えて頂けないでしょうか。

齋藤
信念、と言えるだけの物があるかどうかは判りませんが、必死で取り組まないと皆さんに忘れ去られてしまうのではないかという恐怖心があります。
まだまだ新しくて小さい会社ですし、違うことをしていかないと注目を浴びないので、そこを意識して色々と新しいことに取り組んでいます。

大河原
有難うございます。
これまでの齋藤代表の人生の中で、ターニングポイントと言える出来事があれば教えてください。

齋藤
それはやはりガボーさんとの出会いですね。

大河原
やはりガボーさんなのですね。
齋藤代表がガボーさんに初めてお会いした時の印象はどのようなものだったのでしょうか。

齋藤
彼はフランス政府から、日本でいうところの人間国宝に認定された人物で、凄い技術を持っているので最初はドキドキしたのですが、実際にあってみるとすぐに意気投合できました。

大河原
この方は、もともと日本の伝統工芸に興味があったということですが、それもすぐ打ち解けられた理由なのでしょうね。

齋藤
そうですね。私も彼とは歌舞伎や能、和風建築など、日本文化について色々とお話をしましたが、ひょっとしたら普通の日本人よりも日本のことに詳しいかもしれません。
それからガボーさんともう1人は、天神産紙という手漉き和紙の工場なんですが、今は手漉き和紙をしているのがここだけしかなくて、そこの沼井社長がいなければ当社の事業も成り立たないという人物です。
ガボーさんからギルディングを習いつつ、沼井社長からは日々和紙のことを教わったり、色々とサポートを受けたりして有難いことです。

大河原
そのような、和紙に関わる色々な方との出会いが今の齋藤代表を形作っているのですね。
人との関わりということが出ましたが、他に社内外の職人さんや内子の町の方々などとのコミュニケーションを取る上で、大切にしていることなどはございますか。

齋藤
当社の職人さんには40年ぐらいしている方もいるので、当然敬意を払いながらいろいろと教わっています。
「使わせて頂いている」という感覚でしょうか。もっとも職人さんは謙遜される方ばかりなので恐縮です。
また、私自ら営業活動に行ったりもするので、人とお会いする機会は多いのですが、やはりそこでも敬意を払いながら接しています。

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会社概要

社名: 株式会社 五十崎社中
代表名: 齋藤 宏之
住所: 喜多郡内子町五十崎1620-3
TEL: 0893-44-4403
事業内容: ・製造業 ・小売業/卸売業五十崎和紙製品の開発・製造・販売

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