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「 感謝 謙虚 素直 」 大きな努力で小さな成果を!

義農味噌株式会社
田中 正志 代表取締役社長

  • 2020/9/9
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愛媛の麦味噌文化を伝承・発展させる! 後世に残す故郷の味

就任してから現在に至るまでの17年間、お味噌事業以外にも様々な地産地消にこだわった商品を作られてこられたのには、どんな背景があったのですか?

 要因は複数ありますが、大きな背景の一つに、味噌産業の斜陽化があります。

昔はどの家庭でも朝食で味噌汁が作られ、家族が食卓を囲んで味噌汁を食べていました。
 しかし、夫婦共働きといった生活の変化により、調理に手間がかかる味噌汁が食卓に並ばなくなり、代わりに朝食には牛乳やパンといった、調理に手間がかからない食品が並ぶようになりました。
 また主食が米からパン類や麺類へと変化し、洋食化が進んだため、味噌料理が次第に食卓に並ばなくなっていきました。
 このような背景から、味噌産業は年々衰退していき、このままでは味噌だけでやっていくことは難しいと考えるようになりました。

 そのため、わが社の経営理念である「愛媛の麦味噌文化を伝承・発展させる」という理念を軸に、新たに事業を展開していく必要性を感じていました。そして最初に生まれたのが、「伊予さつま汁」です。

 わが社は一般の方や団体に向け、工場見学会を実施しているのですが、そこで来場された八幡浜のおばあちゃんから、「孫にさつま汁を食べさせてあげたいが、さつま汁は作るのが大変で作らなくなった。」というお言葉をいただきました。この切実な思いを聞き、自分が作ろうと思いました。
 さつま汁は愛媛の郷土料理で、麦味噌を使用しているので、今こそ、わが社の「麦味噌文化を伝承・発展させる」という経営理念を実行するときだと思い、社員さんを巻き込んで半年ほどかけて、商品化しました。

 現在は愛媛県内の学校給食に提供され、地域の子供たちにも、愛媛・郷土の味を伝えています。

現在販売されている商品で、「ギノ―の甘酒」のボトルラベルが変わったのにはどんな背景があったのでしょうか?

kijinaka-gino-miso 約三年前に、日本中で甘酒ブームが起こりました。スーパーには甘酒を求めて人が殺到し、作った甘酒はすぐに売りきれるような状況でした。その時は通常の10倍売れていたと思います。
 わが社も麹を作るノウハウを活かし、甘酒を作り始めましたが、当時ブームということもあり、とにかく早く製造して店頭に並べることを心掛けました。そのため、自社でボトルラベルをデザインして販売していました。
 販売して一年ほど経つと甘酒ブームが終わりましたが、長期的に見て見栄えの良いデザインを創り、現在の白と黒とピンクを用いた北欧のテキスタイルのかっこいいデザインに変更しました。

 わが社の甘酒は原材料にもこだわっています。多くの味噌会社では組合を通じて海外の輸入米を格安で仕入れ、その米を原料にして甘酒を作っている会社が多いように聞いていますが、わが社は高品質で高価格の国産米を仕入れているため、ほかの甘酒よりもすっきり感やおいしさが格段に違います。
 わが社も、当時は輸入米を使った甘酒事業を始めようと考えていました。味噌・みりん・もち・米菓業界には海外からの輸入米がそれぞれの組合を通して格安で配給されていました。これは我々の業界ならではの特権でした。
 これらの業界には、去年購入した量しか買えないというしきたりがあります。そのため、米を買った前例がないわが社には輸入米を買う権利はなかったのです。

 そこで、わが社では国産の品質の良い米を用いて、ほかにはない高品質な甘酒を作ろうと考えました。そして、完成した甘酒をいざ作って飲んでみると、これがとても美味しい。やはり、輸入米で作った甘酒と比べても、風味も、コクも、うまみも桁違いでした。
 お客様にも、「ギノ―の甘酒とてもおいしいです!」といったお言葉をいただき、リピートされるお客様もおられます。

「売る商品ではなく自分が食べるものを創れ」という基本方針のもと現在に至るまでどのように事業展開をされてきたのですか。

 味噌には地域性や嗜好性があり、すでに大型スーパーには競合他社が多くいたので、麦味噌を今後首都圏や関西圏などに広めていくことは難しいと考えていました。そのため、今度は愛媛産にこだわった商品を作ろうと考えていました。

 そこで、愛媛産の農産物を使ったドレッシング事業から始めました。まず初めに出荷されていない伊予柑が廃棄されている現状を知り、伊予柑農家と伊予柑を守るために、伊予柑ドレッシングを開発しました。
 この商品以外にも、七折梅ドレッシングやモミジ玉ねぎドレッシングなど愛媛の食材を使ったドレッシングを作りました。これらの商品は他の商品より高価であり認知度も低いので、店頭でイベントを行い、食べてもらうことから始めました。
 このようにして地道にプロモーションを行いました。

 次に、千葉県のしょいか~ごのピーナッツドレッシングや大分県の「おおやま夢工房」の「大山梅ドレッシング」など、ご当地の特産品を使ったドレッシングを開発し、地域の産直市や道の駅、サービスエリアなどで販売してもらうようにしました。
 また全国から、産直市の立地をお考えになられている方々が、愛媛県の西条市にある「周ちゃん広場」に研修に来ていただくことがあるので、そういったネットワークを通じて全国にご当地商品を展開していきました。

 ドレッシングの全国展開をしていく中で、わが社の一番の主力商品である麦味噌を販売していく必要があると次第に考えるようになりました。そこで、お客様に無料で食べていただこうということで、第50回愛媛マラソンで、スポンサーになり、社員総出で八千食の味噌汁を無料でふるまいました。店舗前には長蛇の列ができ県外の訪問客から「麦味噌おいしい!」「こんな味噌汁食べたことない!」といったお言葉をたくさんいただきました。
 この経験から、「これはいける」と思い、全国の産直市でも同じ活動を行いました。ここでも大成功で、試食をされた買い物客から、「あのお味噌ください」「あの味噌売ってないのですか!?」といったお言葉をたくさんいただけました。するとお店からも麦味噌を入れてほしいといった声をいただけるようになり、徐々に麦味噌の販売を拡大していきました。

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会社概要

社名:義農味噌株式会社
代表名:田中 正志
住所:愛媛県伊予郡松前町永田345-1
TEL:089-984-2135
事業内容:・製造業

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