「”今”しかできないことに本気で取り組もう」

「いつか」ではなく「今」やろう！

大街道でスムージーを販売されている渡辺代表にインタビューを行いました。

人とのつながりを学んだフリーター生活

渡辺代表の学生時代を教えてください。

　私は生まれも育ちも奈良県で、小中高ではバドミントンをやっていました。理系の大学に進学し、研究室がとても忙しかったのを覚えています。何事も完璧主義の傾向があったため、昔を思い返しても自分でも怖かったのではないかなと思います（笑）キャプテンをしたりもしていましたが、周りの子たちが優しくフォローしてくれて下の子を育てるという仕組みができていたのかなと思います。

　私自身、高校進学や大学進学に関して、何かがしたくてその道に進んだという学生ではありませんでした。当時は将来何がしたいということも見つからなかったです。しかし父が出版関係の会社を経営していたこともあり、将来会社員になるという考え方はなく、「働く=経営」の考えでした。大学卒業後は就職せず、フリーターになりました。そのため会社勤めの経験は一度もありません。

　大学卒業後、母の実家が愛媛だったこともあり、縁あって松山に来ました。父は私が中学の時、他界しました。仕事ばっかりの人でしたが、周りの人からはとても尊敬されている人でした。でも家では仕事のは話はしなかったので、父がどんな仕事をしているのかなとはいつも不思議でした（笑）

　また母親がすごく放任主義な人でしたので、周りの人は「４大を出てフリーターはないだろ」って言っていたのですが、母親は反対しなかったです。今思い返すとすごくありがたかったですね。自分が親の立場でそれを言えるかというと少し難しいかもしれません（笑）松山でフリーターになった時、入ったアルバイト先がアルバイトにも経営の理念をしっかり教えてくださるところで、実地を通して本当にたくさんのことを勉強させていただきました。

お仕事を始めたきっかけを教えてください。

　一番はタイミングと人のつながりですね。フリーターのとき、当時アルバイトをしていた飲食店の店長さんから、「バイトではもったいない」と何度もおっしゃっていただいていました。その方からお仕事を紹介いただいたのがきっかけです。

　現在のお店も、Flat Groupの社長さんの「新しいスタイルのお店を松山に作りたい」という思いがあって、アパレルとドリンクのお店が完全にドッキングして現在に至ります。

　当時も今も、アパレルショップと飲食が合体したスタイルのお店はあまりないと思います。また経営上の問題についても家賃を折半できるという利点もあり、お互いの店舗にメリットがありました。その社長さんから、「お店をやってみないか」と言われ、「はい、やります」の２つ返事で承諾しました。今思い返すと、あの時よく即答したなと考えますが、その時はすごくチャンスだと思いました。若さゆえの決断だったかなとも思います。

　そのあとお金のやりくりのこと、体力的にも本当に大変で、すごく苦労しました。でもあの時あのタイミングで決断できたことと、ご紹介いただいたご縁がすごく大きかったのかなと思います。もしあそこで首を横に振っていたら今の私はなかったのかなと思いますね。

　お店は2010年、私が２５歳の時に立ち上げました。ちょうど開店準備をしているときがバンクーバーオリンピックの時で、浅田真央選手の試合を見ながら準備していたのを覚えています。松山で新しいことをやってみたい、楽しいことをやりたいということで立ち上げました。もちろん経営となるといろんな制約もあって、店舗形態上、火が使えないということもありました。アパレルの店舗との兼ね合いなおかつ客層もと考えたとき、今のスムージーのお店が生まれました。

　もちろん個人経営のアパレルやドリンク店より自由度は低いです。しかし、ローリスクで仕事を始めることができました。当時何も持ち得ていなかった私に、店舗運営に必要な機材を飲食店の社長さんが提供してくださり、メニューのアドバイスに関してもしていただきました。社長さんにとって、お金のメリットはほとんどないはずなのに、やりたい気持ちをもっている若い子にどんどんチャンスを与えてくれていたことが本当にありがたかったです。人とのご縁に本当に恵まれていたなと思います。

　2012年に子供ができて経営している傍ら、子育てと並行して仕事をするということがものすごく大変でした。でも店舗から徒歩１分のところに保育園もあって、保育園も私のお店のオープンと同じタイミングでできたこともあって、たまたま運よく子供が入園することもでき、子育ての環境についても本当に恵まれていたなと思います。

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