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DAY5 相手への「尊敬」が主体性の芽を育てる
NPO法人 NEXT CONEXION
越智 大貴 代表理事
- 2016/6/7
表現能力は「自分はこうしたい!」という想いから伸びる。
部下の主体性を引き出すために
民主主義は個人が主体性を発揮し、社会を作っていくことができる素晴らしい仕組みです。でも社会も会社も全体として民主主義の仕組みを上手く活用できていないように思います。活用できていない一番の原因は個人に主権者意識がない点にあります。主権者意識の欠如は、すなわち物事に対して「自分が主人公である」という感覚がない状態、当事者意識がない状態にあるということです。
主権者意識を持つ人が少ないという課題は、部下が主体性を持たないという課題と非常に似ています。つまり従業員が会社に対して当事者意識を持っていない状態、ということです。経営者の方はいつも「従業員に主体性をもたせたい」と悩まれています。
指示ではなく尊敬を
ただ、「あれをやれ」「これをやれ」と上司から指示される環境がある以上、主体性は発揮されにくいと思っています。このように会社の風土が封建的だと主体性は育めません。
もし主体性を持たせたいのならば、「主体性を出してがんばれ!」と部下に言っている上司や先生に対して「がんばれ」と言いたいですね。出せと言われても出せるものではありませんからね。
ではどうやって主体性を引き出せばいいのか。まず部下と接する時に、部下の意見を聞くためにはどうすればいいか。何より上司が部下をリスペクト(尊敬)し、相手の声に耳を傾ける姿勢が大切です。
企業において上司が部下を尊敬し接するように、学校や地域や親も子どもをリスペクトすることも大切だと思っています。子どもの主体性や自発性を伸ばすのに「あれをやれ」「これをやれ」と指示したり、明示するのは良くないですよね。子どもの声をどう引き出すのか、部下の主体性を伸ばすことと同じようにまず相手の話を聞く姿勢を見せる必要があります。子どもが自ら考え行動した結果起こった失敗は、ある程度認めることが必要です。そこで叱ってしまっては主体性が育つ芽を摘んでしまうことになってしまいます。