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連載2回目「IwPの現状について」
株式会社ビオトープ
石原 新也 代表取締役
- 2019/5/30
IWP 愛媛県外への広がり
学生や地元への恩返しをすることに喜びを感じるということでしたが、大学や行政などと関わって取り組んでいる事はあるのでしょうか
IWPはあくまで弊社が独自に運営しているインターンシップ企画であり、外部から支援を受けたり、助言・指導をされたりすることはありません。だからこそ比較的自由にカリキュラムを組むことができ、学生の皆も学業やアルバイト・サークル活動などと両立させながらのびのびと動くことができています。
ただし、大学や行政などと全く接点がないわけではなく、例えば愛媛県内の大学・短大11校で構成される「大学コンソーシアムえひめ」に登録し、毎年8月に「サマーインターン」として約2週間、学生を受け入れています。
サマーインターンでは、通常のIWPと同じくビジネスマナーのロールプレイングから始まり、経営者への取材の仕方、記事の書き方などを指導してから、期間中に1〜2回、実際に経営者を取材して記事を書いてもらいます。
この記事も、今年(2018年)のサマーインターンで参加してくれた松本優香さんが執筆しています。
また、インタビューとは別に、「課題解決型ワーク」として、私から会社経営や企業の企画運営に関する課題を提示し、学生にコンサルタントの視点から解決策を考えてもらいます。
このワークを通して、多くの学生が漠然としたイメージしか持っていないであろう「コンサルティング」「コンサルタント」という言葉について、その仕事の目的や社会での役割、考え方などを理解してもらっています。
こうしてサマーインターンで受け入れた学生の中には、「もっと色々な経営者のお話を聞きたい」「もっとコンサルティングや実際のビジネスについて理解を深めたい」と興味を持ち、期間終了後も正式なインターンシップ生として引き続き活動してくれる子もいて、非常に有難いと思っています。
現在IWPは愛媛以外にも広がりをみせていますね。詳しく教えていただきたいです。
現在IWPの取り組みは徳島県でも行われており、「INTERVIEW WITH PRESIDENT徳島」として愛媛と同じく徳島の学生が徳島の経営者さんにインタビューし記事を公開しています。
IWP徳島は現地の藤井君という男子大学生からの問い合わせをきっかけに、2016年に始まりました。
彼は就労経験のない学生にとっては「企業とは何か」「何を目的として事業展開しているのか」分かりづらく、就職活動に対して不安を抱えている学生が多いという現状に悩んでいました。
そんな折IWPのことを知り、企業に関する疑問・質問を直接経営者に聞くことが出来る画期的な取り組みだと思っていただき、代理店としてIWP徳島が立ち上がりました。
現在、IWP徳島を立ち上げた藤井くんは徳島を離れ、インドネシアに海外留学をしています。 今は徳島県で根を張っている繁盛食堂代表の岡田元一社長に引き継がれ運営されています。
今後は香川や高知にも拠点を置き、各県ごとに学生が活躍し経営者にフォーカスを当てることができる仕組みを作りたいです。
四国中にINTERVIEW WITH PRESIDENTでの学生と経営者の繋がりを広げていき、四国4県で学生とIWP掲載経営者さんの交流会・座談会等を開くことが出来たら嬉しいですね。
経営者インタビュー以外でも学生支援や学生と経営者との橋渡しをする取り組みなども行っているとお伺いしました。詳しく教えていただきたいです。
IWPの延長になりますが、学生向けに特化したものでは、学生と経営者との交流会を開催していました。
これはIWPの活動をしている学生が、自分と同じように経営者と対話してみたいという友達も多く、そのような機会を設けて欲しいという希望があり実現させたものです。
当初は年に1度開催する予定であり、2014年と15年の2回開催したのですが、3回目が台風で中止となり、それ以来開催していないですね(笑)
ただ今後希望する学生がいれば再開してみたいという気持ちもあります。
IWPの現状の課題はございますか?
インターンシップ生は学生として活動してもらう以上、一人一人の活動期間はどうしても限られます。
特に就職活動が始まる3回生の春〜夏頃からはIWPにあまり時間を割けなくなるし、1回生のうちは大学生活に慣れるのに精一杯でしょうから、4年間の大学生活の中で本格的に活動できるのは1〜2年程度になります。
ここ2年ほどは就活や海外留学などでインターンシップ生が長期間IWPに関われないことが多くあり、結果的にインタビュー記事の投稿間隔が長い時で半年以上開くなど不安定になりがちなのです。
また、インターンシップ生を増やしすぎると、却って全員の特性や活動状況を把握することが難しくなり、十分なケアや指導ができなくなってしまいます。
従って、IWPをこれからも記事数を伸ばし持続させていくためには、一度に多くの学生を抱えるのではなく、コンスタントに活動してくれる学生を毎年一人でもいいから確保できる仕組みをつくることが必須だと思います。
また、IWPは収益を目的としているわけではありませんが、IWP単体での収益があれば、もっとIWPの知名度をあげることができるのではないか、もっと深く学生の指導ができるのではないか、と考えることはあります。
知名度が上がれば、記事の読者はもちろん、活動自体に興味を持って問い合わせてくる学生も増えるでしょうし、安定した運営にも繋がると思います。
この企画はやはり学生主体の取り組みでもあるので、読者としてでも、インターンとしての活動でも、もっと若者が関わってくれる仕組みを構築していきたいですね。