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人生に遠回りはない
合同会社エスプリ
吉丸 忠司 代表
- 2023/9/11
ケーキへの情熱
エスプリらしさをどのように表現しているのですか?
私のこだわりはフランス菓子をつくること。「他のお店が何をしているから私たちはこうしよう」などということはないですね。
神戸や東京のフランス菓子店で菓子を食べたときの感動。その感動を私もお客様に提供したい。だからフランス菓子を選びました。
そのために、これまで学んできたことやフランス菓子への感動を、どうやってよりよい形で表現するか。それだけを考えてきました。
どのようなケーキを作りたいのか、どのような目標を持って取り組んでいるのか、お聞かせいただけますか?
フランス菓子には何百年にもわたる歴史があり、その間、あまたの先輩たちが築き上げてきたノウハウや、おいしい味の組み合わせの理論などが蓄積され、オペラやモンブランなどの定番ケーキが生まれました。
これらの伝統の上に現在のフランス菓子は成り立っており、私もその伝統を引き継ぎながら、新しいケーキの創造やおいしい味わいの提供を目指しています。
店名「エスプリ」は、フランス語で「精神の継承」という意味をもつ言葉です。
フランス菓子に人生をかけたパティシエたちが築き上げてきたものを、私も受け継ぎたいという想いから名付けました。
シェフの生涯の代表作である「テ・イグレグ」を作った経緯を教えてください。
都会でフランス菓子を学び地方に戻ってきましたが、地方の方々のケーキに対するイメージは、“やわらかくてやさしい味” という狭いはんちゅうのものでした。
通常、商売のことを思えば、お客様の持つストライクゾーンにボールを投げ続けることをすればいいのでしょうが、しかし、それでは面白味に欠けると思って、どうすればその枠を広げることができるかを考えました。
そこで、人が作らないものを作ろうと思い、硬くて、苦みがあり、多彩な味わいをもつケーキを作ってみようと考え、その結果生まれたのが「テ・イグレグ」です。
このケーキの名前は、フランス語でT.Y.という意味で、他にない独自のケーキだということで、私の名前である吉丸忠司のイニシャルを付けました。
3日かけてつくるショートケーキ、代表作「エスプリ」に店名を付けた理由と作った経緯を教えてください。
一般的にショートケーキは、スポンジを焼いて生クリームを塗り、イチゴを乗せれば完成する比較的簡単に作れるケーキだと思うのですが、私はそのシンプルなケーキをどのようにしてよりおいしくするかを考えました。
手間をかけて時間を掛ければここまで美味しく仕上げることができる。そのモノ創りの精神性を店のモットーにしよう、そう思って店の名前を付けました。
食べた人を感動させたいという想いがその精神性を生み出したのだと思います。
若者に対してメッセージをお願いします。
私も若い頃、異なる分野ではありますが、自分なりに努力して新しいことに挑戦し、外国にも行ってみました。
若い時期は、自分のやりたいことをガムシャラに頑張っていく、それが正解だと私は思います。
生涯収入やどう効率よく生きていくかにこだわる人もいますが、自分の人生を給料や休暇の多さなどを基準に選ぶのではなく、自分が何に情熱をもてるのか、という視点で選ぶ方が良いと私は思います。
一度しかない人生を、条件の良し悪しで売り払ってしまうのはもったいないと思うのです。
インタビュアーより
私はエスプリさんのケーキが大好きで、かねてよりどのような方がこんなに素敵なケーキを作られているのだろうと興味をもっていました。この度インタビューをさせていただき、吉丸様のフランス菓子への真摯な想い、どのような人生を歩まれてきたのかなど、大変貴重なお話をたくさんお聞きすることができました。
最後に吉丸様から、「人生は『章』でできている」というお話と、夢や目標を山登りで例えた、どのルートで山を登り、頂上を目指すのか。というお話をしていただきました。最短距離ではなく、時には回り道をしながら自分なりのルートで頂点を目指していく。そこには苦労も伴うけれど、その分人生は深みを増していくのだと、今回お伺いした吉丸様の今までの軌跡を通じて感じました。
私もこれからの人生の中で、障壁に立ちふさがれることもあると思います。そのときには、今回お話しいただいた吉丸様のお話を思い出し、人生に遠回りはないと思って、自分の人生を歩んでいきたいと思います。
吉丸忠司様、この度はお忙しい中大変貴重なお時間をいただきありがとうございました。
松山大学 経済学部
白城 理子
会社概要
社名:合同会社エスプリ
代表名:吉丸 忠司
住所:愛媛県松山市清水町3-64-3
TEL:089-908-8855
事業内容:・小売業/卸売業