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人との「和」を大切に
愛悠ホーム株式会社
塩梅 一郎 代表取締役社長
- 2017/11/30
本来の日本建築の在り方から耐震を考える
近年では、東日本大震災など天災によって家に住めなくなってしまう人が増えてきたように思います。愛悠ホームでは、どのような対策を考えていらっしゃいますか。
今、ちょうど天災の対策の一環として、都市型ログハウスを手掛けようとしているところです。
熊本の震災でも倒れていない建物は、ログハウス形式の建物です。なぜかというと、横積みだからなんです。横積みだから、揺れが来ると歪みます。震災のあと耐震住宅が話題になったのでニュースでご覧になったかもしれませんが、今の建築は釘と金具で止まっていて、耐震のボードを使って耐震強度を上げていきます。
体験されたことがあるかもしれませんが、木と木を釘で止めて揺らすと緩んでしまいます。緩んでしまった後、誰がそこを直すかというと、直せる人がいません。金具も引きちぎれてしまう。2回目の揺れが来ると倒れてしまいます。
しかし、ログハウス形式の建物や古い日本家屋のように、釘や金具を使っていない建築物は傾いて止まります。熊本の震災でもそうでしたが、熊本城の瓦が落ちていたと思います。また、2001年の芸予地震も屋根瓦が落ちた建物がかなりあったようです。
つまり、元々の日本建築は瓦が落ち、本体を軽くして骨組みは傾いて止まる仕組みで、倒壊はしません。ただ、メンテナンスをしていないと虫食いや腐食で倒れてしまいます。ですが、本来の日本建築は強いです。100年くらい持ちますから。
15年間、福祉の仕事をされていた塩梅様ですが、元福祉業従事者として福祉業界の建物の変化を感じる部分はありますか。
幼稚園や老人ホームなどの施設は、元々の日本建築に則った構造にするところが増えてきています。また、日本は森林保有率が高いので、愛悠ホームでは、国内の木材を使用できるようにと考えています。つまり、化学物質を使っていません。
やはり、落ち着いて過ごせるという精神的な安心からか、ご年配の方が長生きをするということもあるそうです。安心と安全と健康は、大切ですよね。
しかし、現在建っている家と比べると約10倍の木材を使用しますから、コストダウンをどれだけ行うかが鍵となってくると思います。価格と質のバランスを取るのがなかなか難しいですけれど。
今の家の問題点は何だと思われますか。
今の家は、材木を色々なもので覆い隠してしまっています。
あまり年数のたっていない木材は歪みが起きやすいですが、お客様からはそれらが隠されてしまっているので見えません。値段が安いことを重視される方もいらっしゃいますが、10年くらいの長い目で見ると安い材木を使用している家は何かしらの歪みが出てくることもあるようです。
一生に一度の大きな買い物にもかかわらず、後悔される方もいらっしゃいます。
さらに家というのは、ただ建てただけではだめで、メンテナンスをしなければならないものです。
ログハウス形式だと、そもそも材を覆い隠さない「現し工法(あらわしこうほう)」なので、ごまかしがききません。また、自然素材を使っているため、メンテナンスからメンテナンスの間隔が短い。手入れを頻繁にすることで愛着をもっていただけると思います。
昔の日本家屋は、そこの住人が手直しできる範囲で何度もメンテナンスをしていました。だからこそ、長持ちをしているわけです。
会社概要
社名:愛悠ホーム株式会社
代表名:塩梅 一郎
住所:愛媛県松山市久万ノ台706-3
TEL:089-908-9297
URL:http://aiyu-home.net
事業内容:・不動産業/建設業/賃貸業