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「積極的に海外に出て行こう」
愛建電工株式会社
高橋 拡行 代表取締役専務
- 2015/10/13
誰もが働きやすい会社を目指して。
NPO法人団体の「だんだん」を設立されたそうですが、どのような団体でしょうか?
「だんだん」は地域コミュニティで子育てをする場をつくる、という目的で設立しました。その背景としては、女性は出産後退職するという風潮が社会にあったからです。私たちは地域全体で子育てを支援していこうと考えています。
現在、だんだんのサービスの一つとして「YuMele」という子育て応援空間を運営しています。親子で楽しめるカルチャー教室など、様々な教室を提供しています。
「だんだん」は女性の方にも定年後まで働いていただきたいという思いから設立しました。「長く働いてもらいたい」という思いに対して世間には産休に入った社員を退職するように促す風潮があります。なので愛建電工では出産後も帰ってきて働いてもらえるように、育休制度を8年前から導入しています。その結果、これまでに11人の方が職場に復帰し、合計13人のお子さんが産まれています。
女性の職場復帰の次は、会社として子育てと仕事の両立を支援することに取り組み始めました。子育てと家の両立がしんどいという声があったので復帰した女性が無理なく働ける仕組み作りに取り掛かりました。
大企業は働く女性のために車内に託児所を設置していることが多いですが、中小企業は財務上、社員の人数上、導入が非常に難しい状況にあります。そこで海外などの事例を参考にし、子育てを応援できる地域コミュニティを作ればいいのではないかと思い立ち、会社として地域の子育てコミュニティ作りに取り掛かり始めました。
地域のコミュニティ、ですのでもちろん会社単独でやっても意味がありません。そこで地域を巻き込んでいく上でもその母体となる組織が必要だと思い、「だんだん」を作ったのです。
最初にママさんとのコミュニケーションの場を作るために、働くママさん向けのカルチャー教室を開始しました。今年で2年目になります。地域全体のプラットフォームにしていく、というのはかなり長期にわたる取り組みになってきますので、まずは人が集まれる場、集まるようなコンテンツを作りました。それがだんだんのサービスの一つ、子育て応援空間「Yumele(ユメール)」になります。
「Yumele」はどちらにあるのでしょうか?
「Yumele」は富久町、という場所にあります。富久町が昔本社だったのと、愛建電工本社がある南吉田町で働かれている人は余戸とか富久町近辺に住んでいることが多いこともあり、富久町に開設しています。松山市の市営住宅があったりと、病院もあり、済美幼稚園があったりと、生活にあたってかなり恵まれた環境にあると思います。
会社として子育て支援に取り組んでいるのですね。
そうですね。今は男性の育児参加に力を入れていますね。私たちは「NPO法人ファザーリングジャパン」という組織が提唱している「イクボス中小企業同盟」というものに参加しています。企業で働く男性の子育てへの参加、意識改革を目的とした団体で、弊社でも今後部課長を全員集めて研修を実施する予定です。働き方を改善し、生産性を上げていくことで、定時で帰ってアフターファイブの人生を楽しもう、そのような風土を作っていくことができればと思っています。
そのような風土形成にあたって苦労されていることはありますか?
「24時間働けますか?」という某商品のキャッチフレーズがぴったりなくらい、私たちバブル世代は1日中働いていたため、私自身「定時で帰ってアフターファイブを楽しもう!」というアイデアには少し違和感がありますね 笑。
しかし時代の変化に合わせて、私も、会社も柔軟に変化しなければ、この先生き残っていくことはできません。そこで会社の生存、事業拡大戦略として、「働く女性支援、子育て支援」を採用しています。今後は生産性を高めて定時できちんと仕事を終わらせる。育児、自己啓発、趣味といったものに時間を使っていけるような会社にしていきたいと思っています。
そのステップ1として 女性の産休による退職という風潮を会社からなくす。これは現時点で完全に達成されています。次に産休をとるのは当たり前だという意識を形成する。そして産休後、早期に復帰してもらう仕組み作りのステップに移行する。このように段階を経て少しずつ会社を変革してきました。「だんだん」の設立はステップ3になりますね。
現在実行している男性の意識変革はステップ4ですね。今後は定時に帰る。アフターファイブの人生を楽しめるような社風にしていきたいですね。実は「イクボス」を実行している社員は社内にいまして、10数年前から家庭と仕事をうまく両立させています。そのような社員の方をモデルに、今は社全体として仕事と家庭、子育ての両立ができる男性を増やしていきたいと思っています。
NPO法人「だんだん」の今後の目標は何でしょうか?
地域で子育てをする、プラットホームになりたいと考えています。10年、20年後に富久町を「たくさんのキャリアウーマンとたくさんの子供のいる町」にしたいですね。そのために会社として、女性のキャリアを重要視しています。
先ほども少しお話しましたが、女性は結婚して子供を産み、退職する、という流れが暗黙の了解として社内にもありました。その風潮を変えるべく、産休育休を積極的に利用してもらい、再び会社に戻ってきてもらえる環境作りを行っています。今現在も、産休を取っている方が2名、産休予備軍の方が1名おります。
会社は今後、どういった方向に向かっていくのでしょうか?
大きく分けて4つの成長戦略で事業を拡大していこうと考えています。まず、会社として、従業員のゆとりと豊かさを追求していきます。私が働いていた頃はバブルで、誰もが休み無く働いているのが当たり前でした。しかし、今の時代は違います。多様性に富んだ社会となり、各々に仕事に対する制約があります。育児、介護など様々です。
その制約を認めることで、多様性に対応した会社となり、従業員が気兼ねなく働くことができます。ゆとり、豊かさを求めるために、残業に頼ることはしません。従業員と共に会社として業績を上げ、利益を全員にフィードバックしていきます。
2つ目は、マーケティングの考え方を取り入れ、商社機能を拡大し、安定した収益を挙げられる仕組みを作っていきます。3つ目は、ハノイと香港を拠点に海外販売を増やします。現地の企業と合弁の会社を設立し、ASEAN市場での販売強化を図ります。4つ目は、本年度に許可を取得した特定建設業を活用して、盤製品の受注拡大を図ります。
この合計4つの成長戦略で、事業を伸ばしていこうと考えています。
最後に学生へのメッセージをお願いします。
世間を知るという意味で、アルバイトやインターンを積極的にしてほしいです。そこで就職したらどうなるか、ということを考えながら体験してみたらいいと思います。また、アルバイトで稼いだお金を使って、学生の間に世界を見てきてください。私自身、学生の頃に海外には行っていませんが、仕事を始めてから、いろいろな国に行きました。
ツアーではなく、現地の人と交流しながら自力で旅をしてほしいです。その国の裏側、本当の姿を見ると、きっと世界観も変わってくると思います。世界から日本がどう見えているかを知るには、長期間行く必要があります。それができるのは、学生の間だけではないかなと思います。私は特に、アジアの国々を薦めます。アジアの人々がどれだけ日本人を愛しているかを、感じてきてほしいです。
私が以前、母校で講演を行った時、日本に誇りを持っている人は少ないと感じました。自国に対しての誇りや、自信の有無によって国際舞台に出て行ったときに、きちんと発言できるかが決まってきます。
よく、日本人は遠慮して何も発言しないことがあります。それはおしとやかではなく、自信が無いだけなのです。日本は誰もが誇りを持てる国だと思います。日本を誇りに思える学生が一人でも多く増えてほしいなと思っています。
インタビュアーより
近藤亮介
会社概要
社名:愛建電工株式会社
代表名:高橋 拡行
住所:愛媛県松山市南吉田町2798-65
TEL:089-972-2451
URL:http://www.aikendenko.jp
事業内容:・製造業
サービス紹介
私たち愛建電工はFAシステムのハイクオリティーなトータルサービスを通じて縁の下の力持ちとなり、お客様の「モノづくり」や「省力化」に貢献することを使命とします。
私たちは、誠実な姿勢でお客様のモノづくりのベストパートナーとなり、創業から培った技術力とグループ力を駆使し、制御分野においてお客様の「生産力アップ」、「コストダウン」、 「課題解決」の実現をお約束します。
私たちは、人間力・技術力を向上し続け、お客様から「絶対的な信用と信頼」が得られ、笑顔と活気があふれる営業部を目指します。