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「たくさん経験を積み、自分を高めていってください。」
アジアンバー 阿龍
佐々木 孝二 代表
- 2015/11/12
保険営業での体験が飲食業への見方を変えてくれた
保険の営業マンをされていた時期があるとのことですが、なぜ保険業界に入ろうと思われたのですか?
保険をしていた時期は29歳から34歳までの5年間くらいですね。まだ若かったというのもあるし、その時は自分はもっと評価されるべきだと常日頃感じていました。保険は全て評価が数字になるから、そこで自分の実力を試してみようと思い、保険業界に飛び込んだのです。
良くも悪くも印象に残る営業マンだったと思いますね。人の紹介で営業に行くことが多かったのですが、知り合いが多く、色々な方を営業先のお客様に紹介できたので、マッチングの部分ではかなりお客様に重宝されていました。
その一方で保険にピンとこないお客様、あまり保険の知識がないお客様には少しキツめの説明をしていました。「家族のために保険入られてますよね?」「でも今加入している保険じゃ家族のためにならないですよ」と直球で言っていました(笑)
「僕に保険の担当者を変えられないのでしたら、今のお客様を担当している営業マンに加入している保険を変えてもらえばいいですよ」と提案するのですが、そもそも自分がどのような保険を利用しているのか、本当の意味でわかっていない人が多かったように思います。
何かしらお客様にとってプラスになるようなものを提供したいと思いがあったので、ややキツイ口調でもお客様にとって重要、かつわかっていないところを指摘していました。感謝されることもあれば、怒られることもありましたね。なので良い意味でも、悪い意味でも、印象に残るい営業マンだったと思います(笑)
飲食に戻ったきっかけは何だったのですか?
後2年は保険の世界で成長できるな、と思う一方で、その後は果たして大丈夫か、と思い始めていました。扱っていたのは生命保険なのですが、保険で生きて行くなら、独立開業をし、生命保険だけでなく損害保険も扱えるようになり、お客様に保険のことを全部任せてもらえるようにしないと、長く生き残っていけません。「難しいな」と不安になっていました。
代理店として独立する道も真剣に検討し、様々な情報を収集している時に、ふと、我に返ったんです。「このままでいいのか。お前、もともと飲食の人間だろう。そこに戻る道はないのか」と自問自答しました。
それで、迷った挙句、最終的に「保険と飲食どっちが好きか」で決めました。どんな仕事でもしんどいことは沢山ありますが、好きなことだったらしんどくてもやれる、どうせしんどいことをするなら、自分の好きな飲食に戻ろうと思い、保険業界から飲食業界に戻ったんです。
飲食業界に戻ってからしばらくの間はお店の立ち上げ店長や、オープンニングスタッフをしていました。
保険業を経験する前後で飲食業に対する見方は変わりましたか?
それは大きく変わりました。飲食業の外の業界を知るまでは、いいハコ(店舗)、いい料理、いいサービスさえ追求していれば大丈夫と思っていました。ただ保険業界に携わり、接客する側ではなく接客される期間が長くなってくると、自分が最初に思っていた飲食の成功ポイントは少し違うのでないかと思い始めたのです。
私の中での結論は「誰かといきたいと思える店かどうか、どうリラックスして、どういい雰囲気で過ごせるか」、そう言った店つくりができるかどうかでした。ハコ、料理、サービスにも、もちろん全てはつながってはいるのですが、「誰かを連れてきたいな」と思えるようなサービス、連れてきた人が喜んでくれたら自分も満足度がます、そのようなサービスをしたい、するべきではないか、と思っています。
モノ、ハコ、サービスを追求することは変わりませんが、それ以外の部分にお客様のニーズがあったり、次回の来店動機があったりします。それは飲食から離れて初めてわかったことですね。
ニーズを把握するための工夫はどのようなことをされているのですか?
どんなものからもお客様のニーズを見つけることはできますよ。少し意識するだけで、気軽な会話の中からも見いだせます。どういう相手と来ているのか、どのようなシチュエーションだったのか。誰かのご紹介なのか。いろいろな部分からニーズは推測できます。
これはレストランでも通じます。テーブル接客は瞬間勝負なので、ニーズを知るためにはテーブルに行かせてもらう回数を増やすことが大切です。やたらめったらテーブルに来られるとお客様は「ん?」と違和感を感じると思うので、テーブルに行ってもいい理由をどれだけ事前に仕込むかが大切ですね。
テーブルに行く理由を仕込む、ですか?
はい。ここから先は今度、カウンタートークで(笑)
(笑)
ニーズという点においては、理にかなった箱つくりももちろん大切ですが、それ以外の部分も大切、ということです。今のお店を立ち上げるだけなら、20代の時でもできていたと思います。ただその時に立ち上げて今と同じように続けているかどうかはわかりません。技術ではなく、サービスの本質を掴み、実践しているかどうかでいうと、若い頃より今の方が断然経験がありますからね。
バーテンダーでも、技術だけなら若い人でもすごい人はたくさんいます。一番わかりやすいのはシェイキングの技術ですね。シェイクする人次第で全然味が違ってきますから。いろいろなバーに行って、必ずシェイクするカクテルを必ず一杯目に飲む。それで自分に合う味、バーテンダーを探してみると面白いと思いますよ。
最後に、飲食やバーで働く若者にメッセージをお願いします
チャンスがあれば、できるだけお客様とお話ししてみてください。就職し、社会に出た瞬間は目上の人とばかり話すことになります。目上の方との話し方やマナーを学べる機会はバイト、もしくは何かしらの活動をしない限り、機会があまりないと思います。お金をもらいながら、コミュニケーションスキルを身につけ、自己研鑽ができる貴重な体験だと思い、バイトに励んでみてはどうでしょうか?お金以上に学べることがたくさんあり、それが何よりの財産になってきます。
あとはお客様にどれだけ自分を好きになってもらえるか挑戦してみてください。それは自分次第です。お客様と積極的に話し、自分を好きになってもらえる勝ちパターンを探すことです。成功しても、失敗してもいいからたくさん経験を積み、自分を高めていってください。
インタビュアーより
西山 和馬
会社概要
社名:アジアンバー 阿龍 (アロン)
代表名:佐々木 孝二
住所:愛媛県松山市二番町1丁目9-4T-YOUNG ビル 4F
TEL:089-945-6055
URL:http://a-long.bar
事業内容:・宿泊業/飲食業 ・サービス業