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「取り組む姿勢の方が大事」

瀧和グループ
瀧山 和也 代表

  • 2014/9/26
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大河原
本日は、よろしくお願いいたします。

瀧山
はい。
よろしくお願いいたします。

大河原
まず、瀧山代表は26歳の若さで学習塾を開塾されたそうですが、学生時代はご自身の将来をどのように考えていらっしゃったのでしょうか。

瀧山
私の学生時代は、正直漠然としていました。
当時の私は自動車の草レースに熱中していました。学習塾とコンビニでアルバイトをしていたのですが、そこで得たお給料は全部レースのパーツ代などに注ぎ込んでいました。
起業してやろうという意識があまり無い学生時代でした。

大河原
もう趣味に熱中してらっしゃったのですね。

瀧山
そうですね、完全に年中、車の下に潜り込んでいるというような日々でした。

大河原
そのまま車関係のお仕事に就こうと考えたりもしたのでしょうか。

瀧山
いいえ。
父親が元々、車関係の仕事をしていて「好きなことを仕事にすると嫌いになるよ」と言われて、車関係の職に就く選択肢は消えてしまいました。
今思うと、そんなこともないと思いますが、その当時はやはり子供だったのでしょう。
素直にそれ以外の道を探そうと考えました。

大河原
好きを仕事にするなというのは私もよく聞いたことがあります。

瀧山
ほお、そうですか。

大河原
好きなことを仕事にすると、それまで好きだった物の嫌な面が一際大きく見えて、余計嫌になると言うことでした。

瀧山
そのようなことがあるのかもしれないですね。

大河原
そのお父様の言葉で、車関係の仕事は考えなかったのですね。

瀧山
そうですね、あまり深く考えずに「あっ、じゃあやめておこう」ぐらいの感じでした。

大河原
大学を卒業されてからは、どこかの学習塾で講師として勤められたのでしょうか。

瀧山
学生時代からお世話になっていた学習塾さんからお声を頂きました。
4年間ずっとそこでアルバイトをしていました。
嫌いな職でもありませんし、何より培ってきた技術や知識がありました。
これを0に戻して就職するのもなんだか勿体無いと感じまして、そのまま、その学習塾さんのほうに就職させて頂きました。

大河原
その当時で22か23歳ですよね。
それから3~4年で独立を決断されたのは素直に凄いなと思います。

瀧山
同級生にも学習塾でアルバイトをしている人がいましたが、私は教務だけでなく広告を作らせて頂いたり販促活動もさせて頂いていました。
なので、ある程度の技術は身に付けられたと考えていました。

大学卒業後、塾に就職して4年目に独立したのですが、そのきっかけは単純に社長との考え方の相違でした。
しかし、考えが合わないからといって、すぐ転職とか起業したのでは失敗する事が見えていましたので、自分の中で、22から働いて3年を一区切りとしてプラス1年、この期間は自分の勉強のためにと思って過ごしました。

大河原
考え方の相違で塾を辞められたとのことですが、塾講師となってすぐに瀧山代表なりの塾を作ろうという考えがあったのでしょうか。

瀧山
いいえ、最初の頃はこの会社を大きくしたいという気持ちもありましたので、その気持ちでまず3年間頑張らせて頂きました。
4年目に入るか入らないかぐらいで、私自身も就職して色々なものが見えてきた中で、私なりの塾を作りたいと思うようになりました。

大河原
その時に考えられたのが「真剣勝負」とか「中学生を対象にした公立高校受験の専門塾」といったことでしょうか。

瀧山
そうですね。
やはり事業を始めさせて頂く以上は、質が低いものを出すのはお客様に失礼だと思っていました。
それまで働いていたのが小中学生を対象とした塾であり、そこで培ってきた技術であれば、お役に立てるレベルのものがご提供できると思い小中学生対象という形の塾を始めさせて頂きました。

大河原
なるほど。
当時から小学生も対象にしていたのですね。

瀧山
はい。
当時は小中学生を対象にしていたのですが、卒業生などから高校生も指導して欲しいとお声が上がったので、開設して1, 2年目ぐらいに高校部の方も立ち上げさせて頂きました。

大河原
今の麻生校(砥部町)ですね。

瀧山
そうです。
元々は小中学部と近い所に校舎を構えていたのですが、砥部町は松山市のベッドタウンで、生徒達は松山市の高校に通います。なので、一旦、自宅に帰ってから塾に行くとなるとかなり疲れてしまいます。
そこで砥部町の入り口ぐらいに作れば、下校途中に寄れて時間的にも体力的にも楽になるのではないかと考え移転をしました。

大河原
そういう配慮があったのですね。
若いうちに独立したことで、資金の調達であったり、広告や集客についてもかなり苦労されたのではないでしょうか。

瀧山
私は自身について色々な所で足りないと感じる部分があるのですが、どういうわけか人のご縁にだけは非常に恵まれておりました。
資金面の部分で言えば、どのようにお金を借りていいかもわからず困っていた時に、保証人になって下さる方がいらっしゃいました。
更に、その方の助言で事業というのは小さく始めて大きくするのが鉄則だからと言って、倒産した同業者の机とか椅子を譲って頂くことが出来ましたので、比較的小さい資金でスタートができました。

2つ目の質問にありました、広告や集客ということについては、確かに前職で広告なども作らせて頂いていたのですが本格的に広告を勉強したわけではありませんでした。
どうしようと思っていた時に、たまたま集客や広告といったことに力を入れている塾長さんにお会いすることができ、その方に3年ぐらい教わって、それによって軌道に乗せることが出来ました。

大河原
凄いですね。
人との巡り合わせが瀧山代表に味方している感じがします。
たまたまと言われていますが、たまたまの人とお会いするのに、何百人、何千人とお会いしているのでしょうね。

瀧山
そうですね。
それでもすごく巡り合わせ・タイミングが良かったと思います。
ただ、それ故にその後ちょっとよろしくない事にもなるのですが(笑)

大河原
よろしくないこととは、なんなのでしょう(笑)

瀧山
ある意味スタートがすごく良かったので、おごりがあったのでしょうね。
ある時からどうにもスタッフが自分の言うことを聞いてくれなくなり、反発するということが起き始めました。
今思えば、自分のために塾を開き、働くという身勝手さがスタッフにも及び 「自分さえ良ければいい」そんな考え方に染まっていったのでしょうね。
その結果、スタッフが辞め近所で塾を開きました。
本当に辛かったですね。

大河原
えっ、瀧山代表の塾を退職して、近所に出されたのですか。

瀧山
はい、そうです。
開塾した当時の私であれば、おそらく「何でこんなことをするんだよ」と相手を非難したと思います。
年齢なのか経験なのか「自分に落ち度があったのだろうから改めなければ」と考えるきっかけになりました。
それをきっかけとして、コーチングというものを学び自分の考えを見直す時間を取るようにしました。

大河原
その時にコーチングに出会われたのですね。
お名刺にもありましたが、コーチングとは一体何なのでしょうか。

瀧山
私自身を含め、人というのは思い通りにならないことに対して外部に原因を求めがちですが、コーチングでは自分に何ができるのか、自分の中に既にある答えを引き出したり、相手の中にある答えを引き出したりします。
自分で自分を客観視するのは中々難しいものです。
適切な質問をしてあげることによって、相手が本当にやりたいことに気付くよう促すのがコーチングの技法です。

大河原
そのコーチングを学ばれてからは講師の方とのコミュニケーションも上手くいくようになったのですね。

瀧山
そうですね、以前よりも本音で話ができるようになりましたし、目標のすり合わせがとてもしやすくなったと思います。
ただ、コーチングを導入した最初の頃は、自分の不味い所、不都合な所をズバッと言われることに対して反発したり怒ったりするスタッフもいました。
私の未熟なコーチング技術によるものでもあります。
しかし、欠点をうやむやにしたままではなく、本当にいいものを創りたいからこそ一緒に見つめてないかないかという提案をしていく中で、少しずつスムーズになっていきました。
今では、話をするスタッフの方も怒られている感じというよりは、 社長は一緒に何かを創り上げようとしているのだなと感じてくれていると思います。

大河原
その過程では様々な試行錯誤があったのでしょうね。

瀧山
はい。
コーチングの技法にも幾つかあり、本を読めば一通り「知る事」は出来ます。
ただ、コーチングは実践の中で使えて初めて意味があるので、「知る」ことだけでは不十分です。
本で読んでもらちがあかない感じたので、「日本プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー協会」の認定エグゼクティブコーチという資格を取りました。

大河原
お名刺にも載っていますね。
コーチングという言葉は私もチラッと聞いたことはあるのですが、 具体的にどういうことか知らなかったので、勉強になりました。

瀧山
恐縮です。
今ちまたにある指導法のほとんどはティーチングです。
正解を話す側が準備していて、「これが正解だからこういう風にしなさい」というものです。
一方、「どうしたいんだい?」「どうすればいいと思う?」と問いかけて答えを引き出す、答えはあくまで相手が持っているのがコーチングです。
また「どうしていいか分からないなら、誰に聞けばわかると思う?」と聞いて「あっ、誰々さんに質問したらわかると思います」と答えさせ、自分から教わりに行く行動を引き出してあげるのもコーチングなのです。

大河原
なるほど。
そのようなコーチングの技法は、スタッフの方とのコミュニケーションだけでなく、生徒さんに教えるときにも役立ちそうですね。

瀧山
nakakiji-takiwa
実は、それも私がコーチングを学び始めた一つの理由です。
当塾は元々、四の五の言わずにこれをしなさい。
覚えなさい。
と一方的に詰め込むスパルタ形式の塾でした。
進学率も非常に高く、有名県立高校にも合格者が多く出ていたのですが、3~4年ぐらい前から、進学した生徒さんが不登校になるケースが増えてきました。
塾に来た生徒さんに「なんで学校に行かないの」と聞いたら、「学校にいく意味がわからない」と言われました。
彼らからそういう言葉を聞き、はっとしました。
それまでは力を最大限伸ばして限界値で行ける学校に進学しなさいと教えてきました。
「何故そこに進学するのか」というところを考えさせたことがない事に気付きました。

生徒らからすると、腰に縄を括りつけられて、馬で引き摺られてとにかくゴールに行くぞという感じでした。
ゴールについてしまうと、糸が切れたように「あー疲れた」となってしまっていたのです。
そこで、縄をつけて引っ張るのではなく、自分で走ってくれるように指導するにはどうすればいいのだろうと考え、色々と調べていた時に出会ったのがコーチングだったのです。
ですから、今はまだ十分とは言えませんが、 当塾に通って頂いている生徒さんたちには、「なんで勉強してるのか考えたことはあるかい?」「勉強して大学に入って何がやりたい?」「どんな大人になりたい?」という質問を投げかけます。
そういう意味ではコーチングは日々の業務にも活かされていますね。

大河原
私も学生の時は、塾では学力の向上のみを重視されていましたが、瀧山代表はコーチングの勉強をすることにより精神的ケアーもご提供されているのですね。

瀧山
コーチングって褒めることだと認識されがちなのですが、コーチングをきちんと学ぶと、他にもたくさんの技法があります。
それに、人が2人以上いれば、どこでもコーチングは使えますし、「セルフコーチング」といって自分の中に真っ白な、何にも先入観のないもう一人の自分を作り、自分自身にコーチングをかけることがあります。
きちんとした体系立ったやり方があるので、ぜひ多くの人に正しく学び、実践して頂きたい技法です。

大河原さんがインタビューをされた篠森社長(ホンダプリモ砥部)さんと私は同じ師匠の下、同じ時期にコーチングの資格を取りました。
なので、実は兄弟弟子です(笑)
どうやって社員教育をしているかなど、今でも意見交換をします。

大河原
そのような兄弟弟子のような間柄だったのですね。
大変勉強になりましたし、コーチングって本当に奥深いと感じます。
コーチングの他に、瀧山代表にとってターニングポイントはございますか。

瀧山
やはりコーチング事業を始めるきっかけにもなりました社内のいざこざ、その中で自分のことだけを考えるのではなく、他人のことも考えるようにしたことです。
自分がいい思いをしたい、自分の会社が儲かればいいという邪念があり、いざこざが浮き彫りになりました。
今では、「利他の精神」は非常に素晴らしいと思っていて、お客様から、スタッフから、地域から喜ばれる企業を作りたいと心底思います。
けれども、相手が喜ぶサービスを続けたいなら、まず自分の生活が成り立っていないといけないと考え、潰れずに永続できる強い企業を作ることにも取り組んでいます。
ですから、今インタビューをして頂いている、ここがまさに私の会社としてはターニングポイントの真只中にあります(笑)

大河原
ありがとうございます。
瀧山代表は、生徒や保護者さんの他に学校側ともお付き合いをしているとお聞きしたのですが。

瀧山
今は賛助会員という形でちょっと活動から手を引いて、行っていないのですが、ライオンズクラブにいた頃は、地域のお祭であるとか、ライオンズクエストといって、他のクラブとかでされている学校がらみのイベントとかに参加させて頂いたりしていました。
今は経営以外の部分として「砥部まちづくりミーティング」という団体で、町興しのために活動をしています。
私はその団体の理事をさせて頂いております。
あとは、私が個人的に「TaMaGoの会」(略称TMG)という会を持っていまして、TMGはビジネスマンとか経営者とかを集めて勉強会をするというものなのですが。

大河原
弊社代表の石原が喜びそうな会ですね。
卵というのは、ビジネスマンの卵ということですね。

瀧山
そうですね、う化していない、まだまだ勉強しなければいけないということで「TaMaGoの会」と名づけました。

大河原
そのように様々なところへ取り組んでいく姿勢は、瀧山代表ご自身に砥部町を盛り立てていきたいという思いがあってのことなのでしょうか。

瀧山
それはありますね。
当社は来年で10周年を迎えます。
今、私が35歳で、26歳の私を見るととても恥ずかしい人間だと思います。
生徒さんに勉強を教えるということはきちんとやってきたつもりですが、すごく偏った物の考え方をしていたり、自分勝手な考え方をしていたり、まだまだ足りないところもありました。
そんな私を可愛がってくださり、学習塾を続けていくことを許して頂けた砥部町に恩を感じずにはいられません。
何か恩返しがしたいという気持ちはやっぱりあります。
砥部まちづくりミーティングも、地域に対する恩返しがしたいという気持ちから発したものです。
また、私自身が経営者の先輩方から色々教わって、色々な人と出逢わせて下さって今に到ります。
なので、今度は私が自分より若い経営者やビジネスマンに対してそれを伝えていく、それが先輩経営者としてやるべきことだと思ってTaMaGoの会をしています。

大河原
そのようにノウハウの部分、想いの継承というのは凄く大事なことだと思います。
塾という、いわば瀧山代表より下の世代の子供さんに物事を教えることにも通じることではないでしょうか。

瀧山
そうですね。
ある和食の料理人の方がおっしゃっていたのですが、
「伝統を守っていくことは否定しない。
けれども、昔の人たちが作り上げたものをそのまま同じように再現する。
それだったら俺達は今何のために生きているんだ。」

と聞いて、なるほどと思いました。
次世代は今よりもう少しだけよくなっていないと、僕達が仕事をしたことにはならないなと思いまして、そういったことを意識しながら活動をしています。

大河原
いいお話ですね。
篠森代表もおっしゃっていました。
「本質」は受け継いでいかなければならないけど、時代時代に応じて変えていかなければいけないと。
これもその「本質」に通じることかもしれませんが、生徒さんや保護者の方とお付き合いをする上で、塾として重視していることは何でしょうか。

瀧山
相手が求めているものが何か、しっかりとお聞きをすることです。

大河原
例えば保護者の方であれば、子供をこの学校に行かせたいといったことでしょうか。

瀧山
はい。
なぜその学校に行かせたいのかをお聞きしておかないと、子供は親に引きずられているかもしれませんので。
学習塾として正しくないのかもしれませんが私は、「その夢を追いかけられるのであれば、塾ではなくスポーツクラブや習い事の教室の方がいいのではないですか」と言うことがあります。
そうすると、ある意味保護者の方の本音の部分を触ることになりますので、怒らせることもあります。
でも本当にやりたいこと、本当に望まれていることを叶えて差し上げたいと思っていますから、なぜその高校を選ばれるのか聞かせて頂きたいのです。
自分が売りたいものではなくて、相手が必要とされるものをお渡ししたいと思っています。

大河原
そのように質問をしているからこそ、ここで学ぶべき生徒さんが入塾されて、熱心に学ばれているのでしょうね。

瀧山
そうですね、そこは大事だと思います。
もし、2,3年前と同じようにただ尻を叩いて走れ走れという塾だったら、無くなっていたかもしれません。
お子さんたちは変わってきていますし、親御さんも同じように変わってきていき、私も同じように変わっていきます。

大河原
有難うございます。
本当にしたいこと、すべきことを見極めるのは大変難しいことだと思いますが。

瀧山
正直、難しいです(笑)
それに、いくら最初はやる気があったとしても、途中でモチベーションが維持できなくなったり、目標変更になる場合もあります。
その場合も適宜「目指すものが違ってきているのではないか」という話をします。
それで勉強しなければいけないと思い直す子もいれば、進む道、夢が変わって来ていることを認める子もいます。
一番大事なことは、一人一人に合った、本当に目指したいもの、自分が社会で果たしたい役割のために邁進することだと思います。
だから、ビジネスとして正しいか分かりませんが、人としては正しいのではないかと思ってやっております。

大河原
いくら事業で大成しても人の道に外れないことが原則だと思います。

瀧山
そうですね。
これは私の実体験や周囲でお店をされている方などを見てのことなのですが「とにかく自分一番」「自分の利益さえ上がればいい」と考えて起業した方って意外に最初は成功するのです。

大河原
そうなのですか。

瀧山
やはりパワーがあるし、信念も強いし、野望があるので、バーっと伸びるし、会社も大きくなりますよ。
ただ、3年5年と経つと、パタッと消えることがあります。
ですから、私がよく申し上げるのは「3年継続するには勢いがあればいい」情熱があれば、誰でも3年は継続します。
「5年は技術がいる」やはり十分な実力がなければ5年は持ちませんよということです。
「10年になると、……私はまだ10年来ていないので、あまり偉そうなことを言うのは気が引けるのですが、想いがいる」と思います。
こういう価値を新たに社会に提供したいとか、こういう方に喜んで頂きたいとか、自分ではない誰かのために何を提供するかを考えられている方が継続していけるのではないでしょうか。
そういったところで、人の道もきちんと守りながら経営をして行かなければいけないと思っています。

大河原
有難うございます。
瀧山代表は10年目以降はどのような「想い」でこの塾を続けていきたいとお考えですか。

瀧山
実は今、10年目を向かえるあたり、何かしら企業の柱が必要だねと話をしていて、今年7月にスタッフに伝えたことがあります。
一つは「存在することが喜ばれる企業であろう」ということ、もう一つは「永続的な企業を作ろう」ということです。

大河原
その2点はターニングポイントの質問でもお答え頂きましたが、それをあるべき姿として頑張られているのですね。

瀧山
そうですね。

大河原
瀧山代表ご自身のビジョンとしてはどのようにお考えでしょうか。

瀧山
その人の持っている力を最大限、引き出せる人になりたいですね。
私と会った人が「自分にはこんな力があったんだ」「これから会社に戻ったらこういうことをしよう」という風に、きっかけを与えられる人になりたいと思います。

大河原
素晴らしいですね。
そのような、自分だけでなく誰かと一緒に幸せを追求するビジョンの方がモチベーションは上がる気がします。

瀧山
そうですね、今の私にはそちらの方が嬉しいですかね。
ちょっと変なことを言いますが、今は「苦しむことが楽しめる」ようになりました。

大河原
「苦しむことが楽しめる」ですか。

瀧山
私が社会人になった頃はちょうどホリエモン全盛期でした。
会社がうまく行ったらどこかで人を働かせて、上手いことやってセミリタイアというのを思い描いていました。
今は、そのようなものに全く興味を感じないんですよ。
むしろ「これは上手く行ってないね」「どうしようか」「どうしたら良いと思う」「これでやってみよう」「まだ上手くいかないよ」というように、仕事や個人的な活動で仲間といろいろ試行錯誤をしながら新しいものを創り出す、こちらに非常に興味があり楽しみがあります。
昔は苦しいことが嫌で、逃げたいものでしたが、今は苦しいことにぶつかると「これを達成したらどんな、楽しい風景が広がっているのだろう」と乗り越えた時の楽しみの方にワクワクする気持ちが大きくなりました。
「これだけ苦労するのだから凄くいいものが出来上がるのではないか」とか「形にできなくても凄くいい学びが自分にあるのではいか」と感じます。

大河原
そう考えられるようになったのも、セルフコーチングをして自分が本当にしたいことを自問自答し続けてきた結果なのでしょうね。

瀧山
そうですね、自分がどんな人間でありたいかを考えていく中で行き着いた部分ではありますね。
その中で、やはり「人のために生きている人間」でありたい、誰かの力になりたい、それが私の中心にあると感じるとともに、お金は欲しいけれども、大金持ちになることは僕にとっては重要ではなかったなと思いました。

大河原
有難うございます。
私も物欲を満たすのではなく、もっと社会の成長や人間性の成長について重視していきたいです。

瀧山
後は、お金が幸せと思っていた反面、お金がないことへの不安が大きかったのでしょうね。
例えば会社を経営していると、支払いができなくなるとか、そういう不安感があるからお金を自分にあげたいというのがあったのかもしれません。
しかし、10年近く経営をして「窮すれば通ず」といいますか、どんなに追い込まれてどんなにピンチに陥っても必死に頭を回転させて自分に出来る手を全て打っていけば、ひとつまみの希望もないということはありませんでした。
どこかで必死に頑張れば、どうにか出来るという自信が付いたと思います。
そのような、実体験の中で生まれた自信というものが、大金よりも皆で意義ある活動をする方がよほど大切だと気付かせてくれたのかもしれません。

大河原
そのような考え方、生き方ができるようになると、人生をもっと楽しめるのかなと思います。

瀧山
楽になります、随分と。
怠けるという意味ではなくて、悩まなくていいことに悩まなくなります。
けれども、今は人に幸せになって欲しい気持ちが強過ぎる部分もあるので「どうやったらこの子が一番幸せな道を歩めるだろう」と考え過ぎてしまうこともあります。
自分でもこれはちょっと良くない癖だと思っています。

大河原
有難うございました。
最後に、若者へのメッセージをお願いいたしたいと思います。

瀧山
アルバイト講師の方をはじめ周りの学生から、就活が始まるまでに何をしたらいいかとよく聞かれます。
それに対して私が伝えたいのは、取り組むのはTOEICでも資格でもアルバイトでもサークル活動でも、大学の授業でもいいと思っています。
何をやるかが大事ではなくて、「何をやってもいいから、どう取り組むのか、取り組む姿勢の方が大事」ということです。
一生懸命それをやったかどうか、私の座右の銘でもある「真剣勝負」ができているかどうかです。
私は、受け身で学んだことというのは、およそ役に立たないと思っています。
私は、本人の熱意と素直さ、吸収力があるかどうかを見たいので、若者へは
「なにをやってもいいから、取り組み方は考えて欲しい。
中途半端にやるのだったら、時間が勿体無いし、やらなくてもいいのではないか」

と言います。
私は、草レースに熱中していましたので、現在の塾とは何の関係もありません。
しかし、レースとかになりますと周りは自分より年上の方が殆どなので、一生懸命やることで沢山の事を教えてくれました。
どっぷりのめり込むと、色んな事を教わることができます。

大河原
好きこそ物の上手なれということもあるのでしょうか。

瀧山
それもあるでしょうね。
この人は何なのだろう、何が語れるのだろうと思った時に、語れるものが何もない人は、つまらなく思います。
大河原さんはこれから、何にのめり込もうとされているのでしょうか。

大河原
今は、目の前の仕事をより上手くできるようになることですね。
それから経営者の方とお話をして、自分の能力を高めるとか、見識を広めることに努めたいと思います。

瀧山
なるほど、それもやはり大人としては必要なことですもんね。
では、大河原さんは例えば3年後にお会いしたら、どうなっているご予定なのでしょうか。

大河原
正直、まだわかりません。
ひょっとしたら瀧和グループさんとアイアンドエムで何か事業をして、その関連でお会いしているかもしれません。

瀧山
それは面白そうですね。
後にアイアンドエムの正式な社員さんとして事業をされる、そのための知識を吸収するんだという考えでおられると、また違う視点から得れるものと、ネタが入ってくるかも知れないですね。

大河原
そうですね、そういう心持ちでいるとまた違いますね。

瀧山
なんとなく金メダルを取るスポーツ選手はいないですから。
皆、金メダルを取ろうと思って取っていますから。
というわけで、若者へのメッセージはそのように「どう取り組むか」ということです。

大河原
はい。
自分の目的とそれに向けてすべきことを見定めて、一生懸命取り組みたいと思います。
本日はお忙しい中、貴重なお話をお聞かせ頂き、本当に有難うございました。

インタビュアーより

bord-takiwa

瀧山代表のお話からは、「今がまさに会社としてのターニングポイントの真只中」とおっしゃったように、コーチングとの出会いが大きな契機となって、経営者として、また塾の講師として大きな壁を乗り越えつつある途中であることが伝わりました。
またコーチングは瀧山代表にとって、壁を乗り越える手掛かりになっただけでなく、価値観、人生観も変えるほどに大きな存在なのだと感じます。
私もコーチングを学ぶことで、瀧山代表のように、自分だけでなく誰かのためにもなる具体的な目的に向けて、モチベーションを上げて取り組んでいきたいと思いました。
瀧山代表、本当に有難うございました。
大河原慧

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乞うご期待!

会社概要

社名:瀧和グループ
代表:瀧山 和也
住所:愛媛県伊予郡砥部町宮内1404-1 Sステージビル 瀧和塾宮内校内
TEL:089-962-6868
URL:http://www.takiwa.jp
事業内容:・教育業/学習支援業/カウンセリング学習塾事業 ・人材育成事業

サービス紹介

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『エグゼクティブコーチング(経営者対象)』
「自社をどの方向に伸ばしていくか、そのための次の一手は何か?」そんな経営者様の中にある答えを引き出します。

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日本プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー協会(JIPCC)
認定エグゼクティブ・コーチ

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