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「人生の企画書を書いてください」
医療法人TMC 富永ペインクリニック
富永 喜代 代表
- 2016/2/9
松山で開業し、ペインクリニックという存在の周知に奮闘した8年間
松山という、全く縁もゆかりもない土地での開業ということで、苦労されたこともあったのではないでしょうか
私は8年前に松山に来てすぐ、松山市駅と松山駅の違いも分からない状態で開業しました。通常医師が開業するときは、勤務医として大病院にある年数勤めて、患者さんや地元のネットワークを作ってから近所に開業するのが常道です。
私みたいに新しい土地で落下傘開業する人なんかほとんどいなくて、型破りなんですよね。でも、私にとっては人生背水の陣だから(笑)
だからまずは初期投資を抑えてコンパクト開業を目指しました。賃貸物件の2階を借り、27坪に私と看護師さんと事務員さんの3人だけでフットワークを軽くして始めました。
また、備品はリサイクルショップや百貨店の特売で調達したり、自分でホームページを作ったり、フリーペーパーへの広告デザインも自分で考えたりして、経費削減を至上命題にして、誰にも迷惑かけないよう、自力で生きられるように努力しました。
そういう地道な努力は、たとえ医師が開業するときでも必要だと思います。
全く知らない土地での開業に、不安はなかったのでしょうか?
富永ペインクリニックを開業した時は、松山ではまだペインクリニックという言葉自身に馴染みがなく、電話を受けて名乗ると、「ペンキ屋さんですか?」と言われたりもしました。
でも私はそこに勝機を感じました。松山市内でペインクリニックとして開業したのは私で5軒目でした。そして当時松山市医師会に入っている病院・診療所数が490ぐらいだったと思います。
つまり全病院のうち1%しかない希少な科とも言えるわけで、潜在的なニーズはあるのではないかと考えたのです。更に、これから高齢化が進み、肩・膝・腰の痛みを訴える人が増えるわけだし、小さくても自分の身の丈に合った開業にしたから、数は少なくても必ずコアなファンが生まれてくれると信じて始めました。
開業から今までの8年間で、数多く本を出したりメディアに出演されているのは何故でしょうか?
それには大きく2つの目的があります。1つ目は、もちろんペインクリニックという存在の周知のためです。ペインクリニックとは、病気ではなく「痛み」という症状に特化した診療科目です。しかし開業当時は「そんなものがあるのか」「保険は利くのか」「整体院じゃないのか」と、よく聞かれました。
だから、「これではいけない、痛みの専門家が必要だし、痛みでお悩みの方には、そういうものがあるよという事を、私は言わなければいけない」と思ったのです。
厚生労働省の国民生活基礎調査では、日本人が最も悩む症状は1位が腰痛、2位が肩こりなのです。ということは日本人の国民病とも言えるわけですが、症状を診てもらう上での選択肢に痛みの専門家であるペインクリニックが入っていません。
それでは皆さんにとって不利益だし、もっとペインクリニックという存在の認知度を上げるために、出版やメディア出演を積極的にしているのです。
メディアに露出するもう一つの目的としては、当院の患者さんたちに喜んで頂くためです。自分がお世話になっているお医者さんがメディアに取り上げられたりすると、非常に嬉しがって下さいます。他にも家族や友達にも「私の先生が出ているから見てよ」と言って下さって、患者さんの周りで喜びが増えるのです。
私はこれを「祭」と呼んでいます。祭が近づくと、直接神輿を担いだりしない人もなんだかウキウキしますよね。私が神輿を担ぐ、すなわちメディアに出て情報発信していると、周りがなんだかザワザワして、心が躍ります。
私が映る番組の放送前後は患者さんの周りがその話題になり、患者さんにとっては嬉しいし、また、家族や友達とのコミュニケーションに繋がります。情報発信は、患者さんに私の想いが伝わる方策でもあるのです。
会社概要
社名:医療法人TMC 富永ペインクリニック
代表名:富永 喜代
住所:愛媛県松山市 此花町7-33
TEL:089-921-7711
事業内容:・医療業/福祉