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「続けることが大事」
NPO plaisir / Mizota音楽教室
溝田 麻美 代表
- 2016/3/16
発達障がいとは何か、どう向き合えばいいのか、知ってもらいたい
発達障がいを持つお子さんを育てる中で、気が滅入ることもあるのではないかと思います。その時はどのようにしてモチベーションを保っているのでしょうか?
もちろん滅入ることはあります。そういう時は、嬉しいことや楽しいことにできるだけ目を向けるようにしています。「周りはああなのにうちは…」とか考えたらやっていけないし、親が悲観して発達障がいの子供と心中してしまう事例は実際多いです。
確かに心中したくなる気持ちも分かります。身体の障がいだったら気付いてもらえるけど、自閉症などの発達障がいは外見ではわかりません。しかも一番大変な、子育てをしなければいけない年齢の時は猶更です。長男が石ころを口に入れていたら、周りは「もしかしたら障がい者かな」と思うよりも、親のしつけを疑ってしまいますから。
だからこういう障がいがあることを、世間の人々にもっと知って頂きたいと思っています。本当にしつけで問題行動が起こっているのか、それとも障がいによるものなのか、周りが知識を持つことで親はどれだけ救われることでしょう。
更に、発達障がいを持っていてもいつかは社会には出て働かなければならず、その際には周りの支援がどうしても必要です。発達障がいのことや上手な対応のしかたを広く社会に知って頂きたい想いもあるので、演奏会の前後では必ず発達障がいの話をしています。
発達障がいの周知について、何か新しくしてみたい取組みというものはございますか?
障がいを持っている子供に対する療育はとても手厚くなっていますが、親への支援が現状十分ではないので、NPO plaisirの方でペアレントトレーニングも一緒にできればと思っています。
息子を療育している親として感じるのが、「私は?」ということです。2年も3年もかけて子供が発達障がいを持っていると受け入れた「つもり」の今でも、気分が上がったり下がったりすることはあります。
そこでいわば子供への接し方や、親が安定した気持ちで日々過ごすためのことについて勉強会が出来る機会を作りたいし、困った時に気軽に相談に来れる場所や相手がいたらいいなと思っているのです。
これから溝田代表はNPOや音楽教室を経営していく中で、経営者としてどのような人物になりたいと考えていらっしゃるのでしょうか?
なんと言うか、「ああいう人もいるよ」みたいな存在になりたいです(笑)最初の子供を授かった時はシングルマザーでしたし、子供に発達障がいがあると言われた時だってすごく反発して、周りから見れば全然いい母親ではなかったはずです。
本当に子供のことを思っていたら、早く認めて療育してあげられたと思いますが、できませんでした。そんな私でも今ではできるようになったので、「あの人昔はできなかったけど今できてるから大丈夫だよ」みたいな、引き合いに出されるような人になれたら幸いです(笑)
パーフェクトで手の届かない存在ではない、解らないことばかりで周りの助けがないと何もできない、でもやりたいことはちゃんとある、そういう等身大の母親であり代表者でいられればと思います。
最後に若者向けのメッセージをお願いいたします。
できるかできないか、格好いいか格好悪いかとかで判断しないで、自分の気持ちに素直になって、こうだと思ったらそれをやっちゃえばいいと思います。plaisirの音楽会だって、最初のころは自宅のリビングで演奏員の方も無償で来て頂いていたのです。
それが今では喫茶店などを借りられるようになりましたし、少ないけれども謝礼を出せるようになりましたから。続けてたら絶対に応援してくれる人たちが現れるから、続けることが大事です。
インタビュアーより
大河原 慧
会社概要
社名:NPO plaisir / Mizota音楽教室
代表名:溝田 麻美
住所:愛媛県松山市余戸南1丁目18−5
TEL:090-5276-6719
事業内容:・教育業/学習支援業/カウンセリング ・NPO/NGO