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「君ならできる!」ということを伝えたい
株式会社マミーズファミリー
増田 かおり 代表取締役
- 2015/1/30

大河原
それではインタビューを始めさせて頂きます。
本日はよろしくお願い致します。
まず、増田代表が子供の頃は、どのようなお仕事につきたいと考えていらっしゃったのでしょうか。
増田
私は4歳の頃から、幼稚園の先生か保育士になろうと決めていました。
というのも、母が美容院を経営していて、そこに来られたお客様の子供を子守りしたり、一緒に遊んであげていました。
その時にお客様からすごく喜ばれたことが嬉しくて、「大きくなったら 幼稚園か保育園の先生になる」と強く決めていたのです。
また、母はとても腕のいい美容師でしたが、どちらかというとあまり家庭的ではありませんでした。
その母の姿を見て、私は家庭的な母親になろうと思い、保育士か幼稚園の先生になればきっと家庭的になれると考え、「お母さんになる為のお勉強をしよう」と思って迷わず保育科に行きました。
大河原
子供の頃からそのような想いがあり、母親や美容院のお客様との触れ合い中で強く決意されていったのですね。
増田
はい。
子供の発達過程から考えると、4歳というのは、人と繋がろうとする力が生まれる時なのです。
外の社会や人と繋がろうとする年頃に、人のために何かをしたことで、「喜ばれて、自分も嬉しい」と感じた経験は非常に大きかったのだと思います。
もし、4歳の時に、親から「いやいや、こんなことしなくていいから、自分のことをしなさい」と言われていたら、保育士になろうとは思わなかったかもしれません。
大河原
なるほど。
感受性が豊かな子供のころに受けたプラスの感情が、将来の夢や目的を形作る大きな要因になることは確かにあると思います。
増田
おっしゃる通りです。
大河原
子供のころからずっとそういう夢を持ち続けて、保育士になられた時は、どのようなお気持ちだったのでしょうか。
増田
保育士になるのは当たり前のことだと自分の中で考えていたので、念願が叶って嬉しいという気持ちはありませんでした。
昔の夢を挙げるとすれば、私は学生の時に、青年海外協力隊に行きたかったのです。
しかし、母が癌になってしまい行けなくなりました。
それでもその夢を諦めきれなかったところ、勤めていた保育所で、「頑張ったら青年海外協力隊に推薦してあげるよ」と言って下さったのです。
それで改めて「行こう」と思っていたのですが、今の主人と巡り合い、そして青年海外協力隊の夢は諦め、彼と結婚する道を選びました。
大河原
夢を諦めてご結婚とは大変なご決断ですね。
増田
結婚もしましたし、マミーズファミリーを立ち上げる前、23歳の時に一度、学童保育で起業しているのです。
社会人経験がたった3年しか経っていないのに、目の前の子供たちが放っておけなくて、「学童保育雀の子」を立ち上げたのですが、経営者になるきっかけはそこだったのかなと思います。
そもそも経営者になる方には、社長になりたくて何をしようか考える方と、したいことを実現する手段として起業される方の二通りがあると思うのです。
私は後者の方で、自分が保育の世界にいるにも関わらず、育児ノイローゼに罹ってしまい、苦しくて何とか抜け出したいと思っていた時に、友達に子供を預かって頂いたことがきっかけとなり、「私みたいなお母さんは他にもいるのではないか」「そんなお母さん達のために保育所をしよう」と思い、その手段として経営者になることを選んだのです。
大河原
なるほど。
経営者になりたかったから経営者になったのではなく、保育をしたかったから起業をして経営者になったということですね。
それから今に至るまで、大変なこと、苦しいと思ったことも沢山あると思いますが教えて頂けないでしょうか。
増田
それはもう、毎日ですよ(笑)
大河原
そういうことはどのように乗り越えていったのでしょうか。
増田
私のトラブルの乗り越え方としては、マミーズファミリーを始めようと思う前に、テレビでソフトバンクの孫正義さんと、パソナグループ代表の南部靖之さんの対談を観たことがあるのです。
その中で二人が、したいことを建物の二階に例えて、ここに行くための梯子を掛けていくのだと言っていました。
二階に行くことが出来なければ、梯子を付け替えればいいのだと。
大河原
梯子を付け替えるのですか。
増田
はしごかけ発想といって、したいことを諦めるのではなく手段を変えるのだということを、テレビでおっしゃっていたのです。
それを観てからは、今のしたいことや目標、理想の姿などに行くために、一つの方法で上手くいかなかったら、違う梯子を架けるということをしています。
これまでで壁に突き当たった時には、梯子を付替えることで乗り切ってきたような気がします。
大河原
なるほど。
そのはしごかけ発想で困難を乗り切った、具体的なエピソードなどがあればお話し頂きたいと思います。
増田
例えば、美容室での間借りから新しい所に移転するにあたり、融資を受けるために事業計画書が必要でしたが、私はその書き方を知りませんでした。
その時に融資を諦めるのではなく、経済誌を参考にしながら事業計画書を書いたりしました。
沢山ありすぎて、却ってエピソードらしいエピソードがすぐには出てこないのですが、何かピンチなことがある時は、新しい事業や新しいやり方が生まれるチャンスでもあると思います。
大河原
窮すれば通ず、ということわざの通りですね。
増田
まさにその通りではないでしょうか。
他には、会社をそれなりの規模に成長させられた反面、保育士一人ひとりを大切にしたいと思っていても、それがなかなか上手くできなくなっていることを実感しており、そのために今まさにやり方を変えようと模索しています。
大河原
保育士の方一人ひとりを大切に、それがはしごかけ発想でいうところの二階に当たる、会社経営の目的なのですね。
増田
はい、当社の経営ビジョンが「日本一お母さんを元気にして、お子さんを日本一可愛がる、日本一ハッピーな保育をする」というものなのですが、この経営ビジョンに向かっていくためには、やはり保育士さんに充実感を持って仕事をして頂くことが必要であり、常に信念を持って取り組んでいることです。
大河原
色々な方と関わって、その方の人間性を高めるということでしょうか。
増田
そうですね、人間性が高まる過程を見て、「成長したな」と感じることが経営者として一番の喜びだと思います。
人それぞれに必ず何かしら苦しいことがあると思いますが、「待つ」や「信じる」姿勢が大事です。
大河原
それは、増田代表が、スタッフが成長してくれるのを待つ、信じるということでしょうか。
増田
そうですね。
当社の大切なスタッフが何かの壁にぶつかって、でもそこを乗り越えた結果、人間性が高まったり成長したりするのを経営者として見守っていきます。
大河原
有難うございます。
ニックネームがビッグママということですが、これにはどのような意味が込められているのでしょうか。
増田
経営者同士の合宿があって、自分のセルフイメージを決めるようなニックネームを付け合うというものがあったのです。
そこで、ある経営者さんからビッグママと名付けて頂いて、今に至ります。
大河原
そういう由来だったのですね
増田
その頃はまだ経営者として自信がなく、「こんなことでいいのかな」と思っていた時でしたが、それ以来ビッグママを演じることで、そのセルフイメージを確立しようと努力し続けています。
マリリン・モンローでも松田聖子でもよかったのですけどね(笑)
大河原
なるほど。
その「ビッグママ」になるための努力として、今はどのような事をしているのか、よろしければお聞かせください。
増田
私は常に新しいことに取り組んでいるというか、まるで毎年が第二創業のような感じなのです。
今取り組んでいることの中では、『日本で一番大切にしたい会社』の著者である坂本光司先生と偶然お会いしたことがきっかけで、法政大学大学院の先生の研究室に在籍することになり、現在は自分自身の学びと次の創業の準備のためと考えて、従業員やお客様から喜ばれる会社・経営について改めて学んでいます。
大河原
松山で会社を経営しながら東京で大学のゼミに出席するなんて、とてもパワフルですね。
その行動力と向学心は私も見習います。
今後は経営者としてどのようなところを目指していこうとしているのでしょうか
増田
今後の目標としては、「響働型経営」を目指しています。
一般に、キョウドウは「協働」という字を書くと思いますが、「響」の文字には、心が響きあうという意味を込めています。
一人一人の素晴らしさを尊重して、一人一人が輝くステージがあって、心が響きあうチームで最高の保育をする、ということが私にとっての「響働型経営」なのです。
大河原
ただ一緒に働くだけでなく、そこからまた新しい発想が生まれたり、気付き・出会いがあったりということでしょうか。
増田
そうですね。
共振共鳴、共感することで、社員一人一人が充実して仕事をしてくれることを望んでいるのです。
そのためには、「響きあうチーム」が必要だと思います。心が響きあう職場で働きたくないですか?
大河原
はい。
そのような場所で働きたいです。
増田
私も、朝起きて、今日もまた心が響きあう人達に会えると思ったらワクワクしますよ。
そうやって心が響きあう人たちと最高の保育が出来て、そんな保育所を「私の会社にも作ってください」とか「私の地域にも作ってください」と言われたら、すごく嬉しいです。
大河原
もっと人に必要とされていることを感じたら、モチベーションも上がりますね。
他に、これまで大きな学びや気付きがあって、今に活かされていることはございますか。
増田
私の響働型経営を、とても的確に言い表している図があるのです。
マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が考えた「組織の成功循環モデル」と言って、「関係の質」「結果の質」「行動の質」「思考の質」の4つを繰り返すのですが、多くの会社では、最初に結果を設定して、そのための行動計画を立てていると思います。
しかしそれで計画通りに成果を出せればいいのですが、できなかったら評価も思考もマイナスになってしまいます。
大河原
「自分は駄目な人間だ」と思ってしまいますね。
増田
そうです。
そうすると、上司との関係も悪くなり、するとまた結果が悪くなるのです。
大河原
悪循環ですね。
増田
はい。
これを「バッドサイクル」と言います。
ところが、結果の質ではなくて関係の質、例えばチームでワクワクしたり、 困った時に何でも相談が出来るといった、人との関わりからスタートすると安心感や積極性が生まれます。
そうするとこれが行動に反映されます。
もちろん一回で上手くいくとは限りませんが、何度でも挑戦して成果が上がる、そこが、当社の経営理念の「人が好き」「人との関わりを原点とし、認め愛、育ち愛、伝え愛」ということのスタートなのです。関係の質を上げるようにして行けば、自然と、このサイクルが生まれるのだなということに気付きました。
大河原
なるほど。
一見遠回りでも、人間関係から始めることで結果に繋がるのですね。
それに、何度でもチャレンジできるというのは確かに安心できると思います。
増田
はい、失敗しても大丈夫、何度でもチャレンジできるという組織風土を作りたいと思っています。
これは子供にも言えることなのです。子供に対して「きちんとしなさい」「仲良くしなさい」とか、更には「逆上がり出来るまで帰しません」といったことばかり言っていたら、とても関係の質が悪くなりますよね。
大河原
そうですね。
増田
でも、先生が一人一人を気にかけて「大丈夫、大丈夫」と言ってくれたり、大好きな友達がいると思えば保育園に今日も行こうと思うじゃないですか。
そんなグッドサイクルを回していける保育園にしたいです。
大河原
スタッフ同士や保育所での保育士さんと子供・保護者さんなど、およそ保育に携わる方々全ての間にもいい関係が築けると、心が豊かになって、子供の成長にもいい影響がありそうですね。
増田
そう思います。
大河原
ぜひ頑張って頂きたいと思います。有難うございます。
最後に、若者へのメッセージをお願いいたします。
増田
「君ならできる!」ということを伝えたいと思います。
先日150人の学生さんの前でお話させて頂く機会があったのですが、創業したいという人が多くいらっしゃったのですよ。
創業するにはどうしたらいいのかと質問されまして、「自分はできる」と信じることではないでしょうかと言いました。
大河原
信じることでしょうか。
増田
はい。
自分を信じることが大事だと思います。
何をしていても、出来るかできないか不安になってしまい、前に進めなくなることはあると思いますが、先述のはしごかけ発想で、出来なかったらやり方を変えればいいだけですから。
大河原
なるほど。
創業でいえば、いきなり創業するのは無理でも、一旦同じことをしているような会社に入って、十分な経験を積んで独立することも確かに一つの選択肢だと思います。
私も、自分を信じて色々なやり方を試してみたいと思います。
本日はお忙しい中、本当に有難うございました。
インタビュアーより
乞うご期待!
会社概要
社名:株式会社マミーズファミリー
代表名:増田 かおり
住所:松山市萱町2-4-5
TEL:089-947-7881
事業内容:・生活関連業/娯楽業