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「前進あるのみ」
エステティックサロン椿姫
池川 由紀 代表
- 2014/10/3
大河原
まず、池川代表が美容に興味を持たれたのは何がきっかけだったのでしょうか。
池川
はい。
母がお化粧品を販売していたり、4姉妹で女性が多い家庭だったこともあって、小学生の頃から泥パックをしていたりと、美容には馴染み深い環境でした。
大河原
そのような環境で、子供の頃から「美」が身近にあったのですね。
学校でもそういったことを勉強できるところに進学されたのでしょうか。
池川
いいえ、パックや洗顔などホームケアをこまめにするという感じだったので、専門学校で本格的に学ぼうとまでは思っていませんでした。
美容の仕事に就きたいと思ったのはもっと後になり社会に出てからのことです。
大河原
なるほど。
それでは最初の就職は美容業界とは違うところだったのですね。
池川
はい。
最初は会社に勤め事務員をしていました。
また、料理やお菓子を作ったりすることも好きなので、パティシエになりたいと本気で思っていました。
その夢を叶えようと思い、まずは技術を学ばせて頂く形でケーキ屋さんで働き始めたのですが、実際にパティシエになるにはとても体力が必要なことを痛感しました。
3軒のケーキ屋さんで取り組ませて頂いたのですが、いずれも私の体力・力では務まらず、悔しいと思いつつもその夢を断念しました。
大河原
パティシエは体力が必要な仕事ということは私も聞いたことがあります。
そのような形で自分の限界を知り挫折を経て、どのようにしてエステティックの道に進もうと考えられたのでしょうか。
池川
25歳ぐらいの時です。
お友達がエステティシャンになるためにエステティックサロンで頑張っていて、人手が足りないということで夕方からアルバイトに来ないかと誘われて、働き始めたのがきっかけです。
ただ当時はエステティシャンになろう、そのために技術を学ぼうとは考えていなくて、あくまで受付やセッティングなどをお手伝いするだけでした。
大河原
なるほど。
そこから技術を学ぼうと思い立ったきっかけは何でしょうか。
池川
受付や準備などの仕事をしているうちに、そのエステエステサロンのオーナーさんに「あなたも技術を学んだらどうですか」と言われて、最初は戸惑ったのですがちょっとやってみようかと思いました。
大河原
そこから、池川代表のエステティシャンとしての勉強が始まったのですね。
子供の頃から好きだった美容やお化粧と、実際にお仕事としてお客様に施術をして差し上げることについて、違いを感じられたことはございますか。
池川
違いはやはり、お客様にして差し上げるということは、効果を出さないと難しいことなのです。
気持ちいいだけでは、リピーター様もつきませんし、ご指名もして頂けないということを学びました。
大河原
料金に見合った効果を出さないと、本当に満足しては頂けないのですね。
そういうことを意識し始めると、技術の勉強にも、もっと身が入ると思いますが、働いていらっしゃったお店以外でもお勉強をされていたのでしょうか。
池川
そうですね、1軒のエステサロンで学べることにはどうしても限りがありましたし、違う所はどうしているのかにも興味が湧きました。
そこで、お世話になったエステサロンを一旦辞めて、教育・研修制度がしっかりしている大手の会社に入り直して、理論や皮膚の構造といったものを改めて勉強しました。
大河原
勉強のために大手のエステサロンに入り直すとは大変な決断ですね。
それまでの事務員やパティシエと違い、そこまでエステティシャンとしての道を向上心を持ちながら勉強できていらっしゃるのは、他にはない魅力があったのでしょうか。
池川
お客様とお話するのが好きだったり、施術の効果が出るのが私にとっても嬉しかったです。
お客様が「有難う」とおっしゃって、またご来店されることが嬉しくて、頑張ろうという気持ちが増しました。
大河原
私も取材をさせて頂いて記事にして「いい記事だったよ」と言われることが本当に嬉しいです。
独立して開業ということについては、エステサロンで働いている頃から考えていらっしゃったのでしょうか。
池川
はい。
サービス業は目に見えないことでお金を頂いているので、「どこまでしたらいいよ」という線引きがないと思います。
万全のサービスを提供するのが私のスタイルだったのですが、会社の考え方ではそうではなかったりするのです。
それが合致しなかったことについて、自分の中で葛藤が生まれ、お客様に接する時にもギクシャクしたりしたので、「これだったら自分でしたほうがいいのかな」と考えました。
大河原
独立しようと考えられたら、技術だけでなく経営のことについても色々と学ばなければいけないと思いますがそちらはどのようにして勉強をされたのでしょうか。
池川
人にはそれぞれ得意分野などがあると思うのですが、私は施術はできてもまだまだ経営については未熟と思っていまして、今も勉強をしている途中です。
誰でも独立する前にはどのような形で独立しようとかイメージをすると思いますが、私はいきなり松山市内で店舗を借りるのは無理だと思いました。
まずはこういった建物の中に入って基盤を作るほうがいいのかなと、前々から考えていました。
大河原
そこにホテル椿舘様からお声が掛かったということですね。
池川
そうですね、お知り合いの方に仲介して頂きました。
実は最初は断ったのですが、半年後に「やっぱり、やらなきゃ駄目なんだ」という、自分の心の中で決意が固まり、一度はお断りしたので恥ずかしかったのですが、仲介して頂いた方にもう一度頼み込んで、1か月後に開店という運びになりました。
大河原
その半年で何があったのか気になります。
よろしければ、椿舘様でエステサロンを開くときのことをもう少し詳しくお聞きしたいのですが。
池川
最初にお断りしたのは、実は同じ時期に、違うところからも私が主になってエステサロンを開こうというお話がありました。
それから半年間、エステサロン開業のため打合せなどをしていたのですが、その話がお流れになってしまいました。
大きな計画がある日、駄目になったら、少しの間真っ白になりますよね。
一時は「私って駄目なんだ」と、落ち込んだりもしました。
その時に、仲良くしていたお客様から、「次よ次」と励まされて、気を取り直して、椿舘様でのお話を受けることにしたのです。
大河原
そこでもし「次よ次」と言われなかったら、ひょっとしたら池川代表はエステティシャンもしていらっしゃらなかったかもしれないですね。
池川
その可能性もありました。
その方の「次よ次」という言葉と、やはり一度お断りしているところに再び頼むのは気が引けたのですが、同じ方から「そんな事を気にしていたら先に進めない」とも言われて、もう一度、椿舘様を紹介して頂いた方に頭を下げました。
大河原
逆境では必死にならないと何も掴めないということを、その方から教わったのですね。
池川
そうですね。
椿舘様も、わたしが「エステサロンをさせて下さい」といった時も、快く受け入れて下さったのでそれも良かったと思います。
先に他の誰かが入っていたら出来なかったことですし、色々な意味でいいタイミングだったのだと思います。
大河原
「次よ次」って、言葉、凄く励まされます。
しかしホテルでエステサロンを開くとなると、先ほどおっしゃったように、自分のしたい事とホテルが求める事でどうしても食い違うことがあると思うのですが、どのように折り合いをつけているのでしょうか。
池川
技術的なこと、接客については自由にして頂いて構わないということでした。
そこだけをクリアすればどうにかなるという感じだったので(笑)
大河原
池川代表の思う通りの施術や店作りが出来るのは有難いことですね。
お客様に施術をするうえで、特に気をつけていることはなんでしょうか。
池川
お客様のお話を、よく聞くことにしています。
このエステサロンを選んで頂いた理由とか悩みなどです。
私もそうですが、女性の方だと、悩みを聞いてもらうだけでスッキリするということがあります。
それだけで安心されたり、元気になったりされる方も多いです。
大河原
気の持ちよう、ということでしょうか。
心がほぐれるのでしょうね。
池川
はい。
私のエステサロンでは、外に漏れるほど笑い声があったりして、お連れの方からよく笑ってたねと言われることも多いです。
大河原
笑いが絶えないエステサロンというのも新鮮な気がします。
でも、せっかく施術をして頂けるのなら、楽しいほうがいいですからね。
エステサロンの雰囲気作りでも、楽しく過ごして頂けるための工夫というのもされていらっしゃるのでしょうか。
池川
それはやはり、私が元気でなければならない、というところでしょうか(笑)
大河原
なるほど。
元気が一番ですね(笑)
池川代表が元気でいらっしゃることが、お客様にも伝わってゆくのでしょうね。
そのような雰囲気作りをして、こちらで何年ほどになるのでしょうか。
池川
今年の7月で6年になります。
大河原
それだけ長くしていらっしゃると、心に残るお客様もいらっしゃるのではないでしょうか。
池川
何年もお付き合いをさせて頂いていたり、県外から年に何度もいらっしゃる方とか、様々なお客様の顔が頭に浮かびます。
中には宿泊ではなくエステサロンが目当てで来店されるお客様もいらっしゃいます。
大河原
一人に絞れないくらい、色々な印象的なお客様がいらっしゃるのですね。
そういったお客様から、今度は池川代表が何か学ばれたりすることもあるのでしょうか。
池川
それはもう、色々なお話をして頂きますので。
中には私よりご年配の方もいらっしゃいますし、その方からアドバイスを頂いたりすることもあります。
ですから、私が元気でいられるのも、色々な方にお会いして元気を頂いているからだと思います。
お客様や、仕事以外の所でお会いした方から元気を頂いたり、自分が好きなことをして充電して、それをまた別の、悩みを持たれたお客様などに分け与えることで、楽しい雰囲気のエステサロンが出来上がっているのではないでしょうか。
大河原
有難うございます。
今、自分が好きなこととおっしゃいましたが、プライベートではどのようなことをして過ごされているのでしょうか。
池川
好きなことといえば、プライベートでは、やはりお菓子を作ったりお料理をしたりしています。
他にも色々ありますが、実家が畑を持っていて、お野菜を育てたりもしています。
大河原
それはいいですね。
エステサロンの魅力として、成果が目に見えるとおっしゃいましたが、お菓子作りや野菜の栽培も、成果が目に見えるということに繋がる気がします。
池川
それもあります。
さらに、お肌を含め、人の体は食べ物で出来るものなので、そういうことでも美容と健康に気をつけています。
美容液やローションなどに頼りがちな方もいらっしゃいますが、肌の上からだけでなく身体の中からも改善しましょうというのが私のいつもしているアドバイスなのです。
大河原
食べ物から消化吸収した栄養分で肌も綺麗にしようということですね。
池川
その通りです。
簡単なクリームの塗り方とか、マッサージの仕方とか、方法はアドバイスできるのですが、皆が皆エステティシャンではないので難しいですよね。
私の手を借りるだけでなく、お家でも、お客様ご自身で出来るところは頑張って頂きたいと思います。
大河原
有難うございます。
今後についてお聞きしたいのですが、池川代表はエステティシャンとして、またエステサロン経営者としてどのように成長していきたいとお考えですか。
池川
今はこのエステサロンを私1人でしているのですが、どなたかもう1人サポートして下さる方がいれば、1人では出来なかった施術やサービスも出来ると考えているので、ゆくゆくはそういう形を取りたいと思います。
大河原
有難うございます。
2人だと、仕事の幅が広がるだけでなく、時間的にも余裕が出るでしょうから、池川代表も経営などの勉強にもっと打ち込めるのではないでしょうか。
池川
そうですね、色々なところから情報を入手することが可能になりますね。
現状、1人だと、どうしてもここに入らなければいけませんので、時間を取りたくても取れなかったりします。
そういうことがあるので、もし人がいたらできることもまた変わってくると思います。
大河原
そういう風に人を入れることでエステティシャンとして更に成長して、将来的には椿舘様を出て独立してご自分のお店を持とうと考えてもいらっしゃるのでしょうか。
池川
今の状態では「できたらいいな」ぐらいで、まずはこのエステサロンをもっと充実させたいと思います。
外に出るためにはスタッフを置かなければいけないので、私のいない時に信頼して任せられる方であればとても心強いです。
責任感や向上心がある方だったら、「ようこそ」という感じで迎え入れられると思います。
大河原
なるほど。
そのように、池川代表の後に付いて来てくださるような方がいらっしゃるといいですね。
池川
追い越して頂いても大丈夫ですよ(笑)
大河原
そうなのですか(笑)
そこは空いた時間でもっと勉強して頂いて、ずっとリードして頂きたいと思います。
最後に、若者に向けてメッセージをお願いいたします。
池川
今の若い方ってスマホとかで沢山の情報に触れることが出来て、私から見ればいいなと思うこともあるのですが、一方で物事に対して尻込みする方も多くいらっしゃると思います。
大河原
あまりに情報が多すぎると、却ってどれに手を付けていいのかわからなくなるのでしょうね。
池川
そして失敗することを考えてしまうのでしょうね。
でも、環境や時間といった要因もあったでしょうし、自分が挑戦してみたらもしかすると成功するかもしれないじゃないですか。
失敗は成功の元ということわざもありますし、例え失敗しても、それが経験になると思うので、失敗を恐れずに、前に進んで頂きたいと思います。
大河原
有難うございました。
私も、学生の間は色々なことに挑戦してみるべきだったと思います。
以上でインタビューを終わらせて頂きます。
インタビュアーより
乞うご期待!
会社概要
社名:エステティックサロン椿姫
代表:池川 由紀
住所:松山市道後鷺谷町5-32 ホテル椿舘2F大浴場横
TEL:089-945-1000(椿館フロント)
URL:http://www.tsubakikan.co.jp/est.php
事業内容:・美容業