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「与えられた仕事を心を込めてしていくことが一番大事」

とよたピアノ教室
豊田 瑞代 代表

  • 2014/9/1
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大河原
本日はよろしくお願いいたします。
まず、豊田代表がピアノを始められたきっかけは何だったのでしょうか。

豊田
元々母がピアノを持っていまして、5歳のときに習い始めたのが最初ですね。
私が子供の頃の習い事の定番と言えば「ピアノ」でした。

大河原
それを今まで続けてこられたのですね。

豊田
そうですね、小中高、大学と続けて、そのまま音楽に携わる仕事に就きました。

大河原
そのお仕事とは何だったのでしょうか。

豊田
音楽教室でピアノの先生を5年間、勤めた後に退職してピアノ教室を開きました。
ピアノ教室については、生徒さんに教えるだけの人や演奏もされる方など色々な方がいらっしゃると思うのですが、私の場合は教えたり演奏をしたりと、ピアノの演奏全体に関わる仕事をしています。

大河原
音楽は幅も広く奥も深そうです。
大学で音楽の勉強をされたということは、普通の大学ではなく音楽大学に在籍されたのでしょうか。

豊田
そうですね。
音楽短期大学というものもありますが、そのようなところで音楽について一定の期間、学ばないと教えることもできないと思います。
音楽教室に入社するときも、楽器の演奏が試験の一つにありますし、音楽大学や音楽短期大学を卒業していることが条件になっています。

大河原
音楽教室に勤めていた頃は、ずっとそこで働いていこうと考えていらっしゃったのでしょうか。

豊田
私は元々、松山出身ではなく、大学進学のために松山に来て、卒業後も松山で音楽教室の仕事に就きました。
そこで実際に働いて、仕事の流れを掴んでいくうちに、いずれはフリーになろうと考え始めました。

大河原
音楽教室で働かれているときに、ピアノ教室を開こうと思われたのですね。

豊田
そうですね。
ピアノを教える方法についても音楽教室でのお仕事で分かってきたので、教材や時間帯について自分で決められるのなら自分で始めようかなと考えました。

大河原
なるほど。
どうやったら人にピアノを教えられるかを勉強できたのが、音楽教室で5年間働いて得られた最大の経験なのですね。

豊田
そうですね、本当に沢山お勉強をさせていただきました。
大学の課程では歌唱や他の楽器もしたとはいえ基本的にはピアノ一筋でしたが、音楽教室で初めて電子楽器に触れさせて頂いたり、そのような経験が今の仕事に繋がっていることもありますし、本当に5年間で結構勉強をさせて頂きました。

大河原
何よりも、どうしたら人に教えられるかということでしょうか。

豊田
そうですね、特に子供との接し方です。
大人ならば話が伝わりますが、相手は子供、しかも色々な年齢層がいて、また私も親戚や近所に小さな子供がいたわけでもなく、それまでは子供に接する経験が多くありませんでした。
そのため学年ごとの理解度が、どのくらいなのか最初は分からなかったのですが、子供の生徒さんを預かって、小さい子と接することに慣れたのもよかったですし、どういう風に教えたら楽しく分かってもらえるのかも勉強させて頂きました。

大河原
豊田様も5歳の頃からピアノを習ってらっしゃったということなので、子供に教えるときには、その頃を思い出したり、ご自身が教わった経験が活きることもあるのでしょうか。

豊田
教材や曲目について「私もこれをしたな」とか、教えるときも「そういえばあの時先生にこういうことを言われたな」と思い出すことはありますね。
それから教える内容や曲のこともそうですが、自分が教える立場になって初めて、子供は親や先生など周囲の大人のことをよく見ているなと感じました。
私も子供の頃に、先生が例えば新しい文房具を持っているとか、可愛い洋服を着ているとか、そういった先生の個性をよく見ていたことを思い出して、ただ教えるだけではなく、身なりや喋り方をちゃんとしないといけないと思いますね。

大河原
ピアノを教えるだけではなく普段の振る舞いにも気を使わなければいけないのですね。

豊田
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若い頃は自分が習ってきた演奏の仕方を教えることで頭が一杯でしたが、例えば挨拶の習慣がない子供には私から「こんにちは」と呼びかけることで意識してもらったりと、礼儀や作法などの「道」をきちっと教えることも子供たちにとっては大事なのではないかと思っています。
ピアノを通して子供たちと出会ったのですが、子供から新しい気付きを貰うこともあるし、子供たちの方もピアノを練習したいとかおしゃべりが楽しみとか、通い続ける動機は様々です。
それでも折角のレッスンの時間なので、レッスンの時間を楽しく過ごしてもらえるように心がけています。

大河原
子供たちにとっても、ただピアノを習うだけでなく楽しくできたほうがモチベーションも上がりますよね。

豊田
そうですね。
家や学校で嫌なことがあったりして、ご機嫌斜めでやってくる子供もいます。
家での練習中に親からきつく言われて玄関先で大泣きした子もいました。
そのように子供がピアノを弾きたい気持ちにならないときは、その日にあった楽しいことを聞いたりしながら、心が明るくなるようにします。

大河原
どうやったらそのように、上手に子供の気持ちをそちらに向けさせることができるのでしょうか。

豊田
子供でも学校に行き始めるとして、いいこととよくないことの分別がついてきて、他人の前では大人しくしたり我慢することを覚えるのですが、小さな子供は自分の気持ちをストレートに出してしまいます。
小さな子供がしてはいけないことをしたときには、どんなにやさしく注意しても言うことを聞かないのですが、「その子のやっていることを一旦受け入れる」といいのではないでしょうか。
「何してるの?」と聞いて答えられた後で、「じゃあ」という風に行くと、子供は「うん」となって先に進むのです。
これは子供だけではなく大人でも本質的には同じで、受け入れられてあげたら世の中もっとうまくいくのではないかと考えたりもするので、子供から学べることはいっぱいありますね。
子供は純粋でストレートですから、今日あったことを素直に表現できるのはうらやましいなと思います。

大河原
子供は見ていて可愛いですし宝ですからね。

豊田
可愛いですね。
自分が大人になればなるほど、純粋な可愛らしさが際立って見えますし、物事について気付くポイントが大人と違うので新鮮な気持ちになれます。

大河原
有難うございます。
沢山の子供を見てこられたと思いますが、こちらでピアノ教室を開かれてどのくらいになるのでしょうか。

豊田
8年目になりますね。

大河原
そうなると、最初の頃に教えていらっしゃった子もかなり大きくなっているのでしょうね。

豊田
大学を卒業して入った音楽教室で教えていた子が、音楽教室を辞めて私のところに来てくれるようになったことがありました。
初めて会った頃は幼稚園の年長組で、ピアノが弾けなくて泣いていたのが、18,9歳で大学に進学するまでずっといてくれたので、その子とのお別れは涙が出ましたね。
他にも色々な思いを経験してきましたが、音楽教室を退職してもその子がずっと私についてきてくれたことだけでも有難かったですし、家から遠いのに送り迎えしてくださったことにも感謝しています。

大河原
やはり十何年も教えてきた生徒さんとの別れは嬉しくもあり寂しくもありますね。

豊田
そうですね、音楽教室でピアノを教え始めた時からずっと継続して生徒になってくれていたのはその子だけですし、その子と別れたのもわずか1年前のことだったので、音楽を通して色んなことがありました。
付き合いが長いだけでなく、私がピアノ講師としても最初の未熟な時に知り合った子だったので、その子がピアノだけでなく礼儀なども身に付けていったのを見ていると、「ああ、大人になったのだな」という風に感じました。

大河原
周りの方の助けがあったのですね。
それはとても感慨深いことだと思います。

豊田
私もまさかそんなことになるとは思いませんでした。
その子との触れ合いを通して、世の中には色々な出会いと別れがあると思いますが、涙を流さないものと流すものの違いについても考えるようになりました。

大河原
なるほど。
凄く興味深いお話です。
そのような出会いや別れを経験していると、人間的にも大きく成長できそうですね。

豊田
色々なことを感じ、色々な思いを持てる様になったのは自分でも変わったと思います。
若い頃は考え付かなかったことに自分の中で気付けるようになったといいますか。

大河原
そのような出会い、大切にしていきたいものです。
他に、豊田様がピアノを弾いていて、嬉しいと思ったことは何でしょうか。

豊田
子供の頃なら、弾きたい曲を弾けるようになったり、コンクールで賞を取ったり、校内で弾かせてもらったりしたことで、弾くこと自体に関して満足感を得られました。
大人になってからもそういう喜びはあるのですが、ピアノを仕事として、弾くことによってお金を頂くようになってからは、難しい曲が弾けたからというよりも、誰もが知っている曲を聴いていただいて、「凄くいい音で綺麗だった」というようなシンプルなコメントがすごく嬉しく感じます。
音楽の知識のある方に褒めてもらえるのも、知識がない方からの素朴な感想も、両方有難く嬉しいです。

大河原
有難うございます。
子供の頃にコンクールで賞を取ったとありましたが、ライバルとの競争や切磋琢磨はあったのでしょうか。

豊田
子供の頃は、ピアノをしていてコンクールに出る子がいたらやはり噂になるので、それを聞いてライバル意識を持ったりもしました。
それから、県の代表で四国大会に進んだときに知っている子が一緒に出場して、そこを勝ち抜くのに「頑張らなければ」と思ったこともありますね。

大河原
そういう対抗意識が向上心に繋がることもあったのでしょうね。

豊田
そうですね。
しかし音楽というのは本来表現の手段なので、勝ち負けではないと思います。
ただ、子供たちの中でも、普段よく弾けるのに人前に出たときに萎縮してしまう子がいたりするので、演奏する上で表現する気持ちは強く持っていないといけないと思います。

大河原
やはりそこに尽きますね、有難うございました。
ところで、こちらの教室は主に子供の生徒さんが多いのでしょうか。

豊田
一番多いのは子供ですね。
大人の生徒さんも何人かいらっしゃいました。

大河原
大人の生徒さんはどのような方が多いのでしょうか。

豊田
主婦の方で自分の子供が使っていたピアノが勿体無いから、自分でも始めてみるという方や子供の頃ピアノを弾いていたけどもう一回弾いてみたいという方がいらっしゃいます。
音楽教室で働いていた頃は、英会話教室の外国人の先生がいらっしゃったこともありました。
英語が上手ではないので、その時はどんなコミュニケーションをとればいいのか苦労しました。
もう本当に、色々な方がいらっしゃいます。

大河原
弊社代表の石原がどうしも豊田代表に聞いてくださいとのことで、大人が「どうしてもこれが弾きたい」という熱意を持って来られる方もいらっしゃるのでしょうか。

豊田
他のピアノ教室の先生のお話を聞くと、「初心者だけど自分の娘の結婚式で弾きたい曲を練習したい」とおっしゃるなど、そのような方もいらっしゃるようですね。
また、子供の頃にピアノ経験のある方なのですが、いま通われている方は発表会に出るために頑張っていらっしゃいます。

大河原
ピアノ教室というと子供向けのイメージが強かったのですが、やはり大人でピアノを習おうとされる方もいらっしゃるのですね。
そういうところで全く素人の大人が上達するにはどのくらいの時間がかかるのでしょうか。
個人差などもあるとは思いますが。

豊田
一概に何年、何ヶ月とは言えませんが、子供が習得するのと比べて時間がかかりますね。
ピアノは同時にいくつもの音を出せる特徴があり、それをマスターするにはまず片手で弾いてみたりして感覚を掴む必要があります。
私の大人の生徒さんは皆子供の頃にピアノ経験がある方ばかりなので、初めて来られた段階で「なんとなく弾ける」方が大半です。

大河原
石原に伝えておきます(笑)
大人と子供で、教え方に違いはあるのでしょうか。

豊田
子供は言葉で指示をするよりも、見よう見まねで教えていったほうが速く上達します。
大人だとこちらの指示を一旦、頭で理解して弾いていきます。
子供は真似していくのが得意だし、大人はお伝えしたことをちゃんと頭で考えていくのが得意なんだと思います。

大河原
なるほど、そのような違いがあるのですね。興味深いです。
豊田様が好きな作曲家や曲名はどなたかいらっしゃいますか。

豊田
昔から大好きなのはショパンです。
後はモーツァルトなど古典派前期の作曲者ですね。

大河原
なぜショパンやモーツァルトを好きになったのでしょうか。

豊田
古典派の音楽はピアノをやる上で必ず勉強しないといけないのですが、実際に弾いてみて嫌いではなかったのと勉強なのに純粋に楽しめると感じたのが、好きになったきっかけです。
ショパンについては、子供の頃にコンサートで曲を聴いたときに、凄く綺麗だと思ったのが大きなきっかけで、「絶対これを弾く」と思ったのは覚えています。
今でこそ人前で古典派を弾くことは少なくなったのですが、それでも有名な作曲家ばかりなので、皆さんが知っている曲ということでお出しすることもあります。

大河原
豊田様はクラシックをご専門で弾かれるのでしょうか。

豊田
イージーリスニングなど、ポピュラー音楽を弾くこともありますよ。
自分から弾くことは少ないですが、リクエストがあればそれにお応えすることがあります。

大河原
イージーリスニングというと、ポール・モーリアやリチャード・クレイダーマンなどが有名ですね。
今後は、このピアノ教室をどのようにしていきたいとお考えでしょうか。

豊田
生徒さんが本当に楽しい時間を過ごせると感じてもらえる場所にし続けたいと思っています。
先程も言ったように、音楽は競争ではなく表現の手段なので、「上手く表現ができた」と感じて頂けるレッスンをしていきたいです。

大河原
貴重なお話をして頂きありがとうございます。
最後に、若者へのメッセージをお願いいたします。

豊田
その時に与えられた仕事を、心を込めてしていくことが一番大事だと思います。

大河原
与えられた仕事ですか。

豊田
もちろん仕事の中には自分で選んだものもあるし、自分がしたいと思ってやっているものもありますが、結局は上司やお客様など、誰かに与えられている仕事が大半を占めます。
時には雑用などを頼まれて文句を言いたくなることもありますが、そこを堪えて心を込めて取り組む事が大事だと思います。
そうすることで人とのつながりが生まれ、仕事も自分の進みたい方向に向かっていき、最終的に自分がしたいことに近づいていくのではないでしょうか。

大河原
確かに、どんな仕事でも気持ち次第で自分の経験にできますからね。
雑用といって侮ってはいけませんね。
本日は貴重なお話をお聞かせいただき、有難うございました。

インタビュアーより

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豊田代表のお話からは、ピアノを「表現の手段」として心から楽しんで弾いてこられたこと、生徒さんたちにも楽しんでピアノを習ってもらいたいことがよく伝わってきました。
ピアノ教室をただの習い事ではなく、子供たちが人間性を成長させる場だと位置づける考え方は私にとって新鮮なもので、豊田代表が今後目指している「本当に楽しい時間を過ごせると感じてもらえる場所」にしたいと考えられた根底には、音楽教室時代も含めた13年の間に色々な生徒さんとの出会いと別れを経験してきたことが反映されているのだと感じました。
私も将来、結婚して子供ができれば、ピアノを習わせたいと思いました。
大河原 慧

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乞うご期待!

会社概要

社名:とよたピアノ教室
代表:豊田 瑞代
住所:愛媛県松山市白水台2-9-17
事業内容:・生活関連業/娯楽業ピアノ教室

サービス紹介

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『とよたピアノ教室』

住所:
愛媛県松山市白水台2-9-17
メール:
mailto:mizuyotoyota@gmail.com

【詳しくはメールにてお問い合わせ下さい】

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『レッスン』

レッスン回数:
【月4回】

レッスン料:
未就学児 6000円~
【年齢、レベルに応じて変わります。】

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