「自分にとってのプラスの選択をしていく」

思いがけない出来事は人生の分岐点。揺るぎない夢は変わらない。

私からすると、起業するというのは一念発起するイメージが強くて、人生の変換点の一つではないかと思っていました。

　私もそう思っていました。例えば、このセイズ・ストリートを立ち上げた時もそうですし、それ以前に自分の会社を立ち上げた時もそうですが、意外と簡単に会社は立ち上がります。

　もちろん、計画立てをしてからや、一念発起してから事業をおこす人もいると思います。ただ、計画を立てて進めている時点で、プライオリティや目標にたどり着くまでのプロセスなど、先の見通しがわかっています。だから、それが大きな分岐点だとは思っていません。

　今になって思い返してみると、大学を辞めた時であったり、ぬるま湯からでた時であったりということがなかったら、今の自分はなかったなと思います。

思い通りにならない時が分岐点ということでしょうか。

　そうですね。ただ、このままの状況が嫌だったので、大学を辞めたのは自分の意志でやめました。学校辞めることは、相当な勇気が必要ですよね。親にも申し訳ないし、お金ももったいない。だから、とても申し訳ない気持ちになるのですが、それを絶対取り返してやろうと、起業に対する勉強や、経営者の考え方の勉強に専念し始めました。

　自分の経験値が変わるから言えることは変わっているかもしれませんが、20代の時に学んだリーダー論などが今でも自分に残っているので、考え方としてはその時からあまり変わっていません。

リーダー論など、起業に必要なことは独学で学ばれたのですか。

　20代前半ころ、100人くらい集まるセミナーに足繁く参加していました。例えば、明日東京でセミナーがあるって聞いたら、寝ずに車を走らせたり、次の日福岡で開催されるって聞いたら、東京から福岡まで行ったり。それに有名な人のセミナーは全国で聞きに行っていました。当時のセミナーのメモを見返すと、10冊くらいのA4ノートが隙間なく文字で埋まっているくらいです。

　精神的に追い込まれているから、行かざるを得ない状況でしたし、苦しかったですが、非常に勉強になりました。あの経験がなければ、今の私はないと心の底からそう思います。

自らを追い込むのは、容易なことではありませんが、社長は20代のころから自分の夢の実現のために、努力していらっしゃったのですね。更に、社長のフットワークの軽さには頭の下がる思いです。
最後に、私の同級生でも、イベント企画に興味のある人がたくさんいます。そういった学生へ何かあれば、アドバイスをお願いします。

　とにかくやりたいと思っていたり、行きたいと思っていたりすることは全部経験していった方がいいです。逆にやりたくないなと思うことでも、やってみたら絶対いい経験になります。人っていうのは、絶対やれないことは、悩むこともしませんし、想像もしません。

　例えば、私がいつか野球選手として日本一になることは絶対無理なので、考えもしません。でも、野球のカードゲームでいつか日本一になることはできるかもしれないということは、なんとなく想像できますし、練習してみようかなとなりますよね。
　つまり、やれないことは悩みもしない。だから、悩んだことはぜひやってみてください。自問自答してみて、少しでも前向きな答えが出てきたら、実際にするという、プラスの選択をすることを心がけてください。

　なにごとも、行動から始まるということですね。
今日は貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございました。

インタビュアーより

勢井社長の愛媛のいいところを発信していきたいという熱い想いに触れ、愛媛県民の一人として、愛媛について改めて考えるきっかけができました。加えて、県民祭がどのような想いで作られているのか、ただイベントに参加するだけではわからない、イベント裏側も垣間見ることが出来ました。
今回のインタビューで一番私の心に響いた言葉は、「できないことは悩みもしない」です。もしかしたら、この「県民祭」は社長が悩まれたからこそ、開催されるのかもしれません。インタビューの間、優しく対応してくださった社長には、強い想いや、堅い意志が秘められていることに気づきました。
私自身、悩んでやめてしまうということがよくあります。しかし、それはとてももったいないことでした。少しでも自分にとってプラスの選択ができるように、そして行動に移せるように、心がけていこうと思います。
勢井社長、貴重なお話を聞かせていただき、本当にありがとうございました。