INTERVIEW WITH PRESIDENT 公式フェイスブック INTERVIEW WITH PRESIDENT 公式ツイッター

「人生は一度きりだから時間を大切に」

アンレーヴ
定岡 恭子 主宰

  • 2014/11/10
i-cath-en-reve

大河原
本日は、よろしくお願いいたします。
定岡代表は、子供の頃はどのような環境で育たれたのでしょうか。

定岡
はい。

父が自営業をしていまして、「経営者は24時間365日、自分の時間がない」と言っていました。

その言葉通り、子供の頃は休日も父がいないことが多く、普通のサラリーマンのご家庭のように休日に家族が揃ってお出かけすることも少なく、とても嫌だった事を覚えています。

大河原
お父様も経営者だったのですね。
そのような環境で育てられますと、独立してお仕事ということに抵抗もあったかとは思いますが、どうでしょうか。

定岡
はい。
確かに抵抗もありましたが、その一方で、自分で何かをしたいという気持ちも子供の頃から持っていたのだと思います。
また、高校生ぐらいの時は、結婚して家庭を持つにしても、子育てで社会を一度離れ、子育てが終わっても自分で、生きていけるぐらいの仕事を持っておきたいと考えていました。
というのは、母が父の会社で経理をしていたのですが、子育てと仕事の両立で自分の時間が全くない状態でした。
そのような母の姿を見ているうちに、子育てが終わってしまったら自分の人生がなくなるような気がして、女性として私はそのような生き方が好きではありませんでした。
進路を決めるにあたり、その頃はお洋服をデザインしたり縫製をすることが好きだったので、これを自分のお仕事にしようと思い、神戸の短期大学の服飾芸術科に行きました。

大河原
ご自身の人生を大切にしたいからこそ、独立を志されたのですね。
神戸ではどのような経験をされたのでしょうか。

定岡
はい。

神戸でアルバイトをしたのがお花屋さんでした。三ノ宮と異人館にお店があって、そこで働いているうちにお花の魅力に引きこまれてしまって、お花のお仕事をしたいと思うようになり、その時のことを、私は「魔法にかけられた」と表現をしますが、本当に言葉では言い表せないものがありました。

大河原
とにかく直感的に「お花の仕事をしたい」と感じられたのですね。
それが決め手となって、本格的にお花の世界に踏み出されたのでしょうか。

定岡
はい。
短大卒業後は地元の西条に帰って、OLとして働く傍ら近所のフラワーデザイン教室に通い始めました。
教室に入った時点で、「私はお花屋さんになりたい」ということを先生に宣言しましたし、先生もそれに答えて下さって、色々な経験をさせて頂きました。
私自身も、居れば居るだけ、吸収できることが増えるし、何事も自分の勉強だと考えて、レッスンの日は他の生徒さんより早く来て、終わってもお片付けのお手伝いなどをして一番最後に帰っていました。
おかげで資格も取ることができましたし、3年目のあたりからは、その教室でアシスタントとして手伝わせて頂きました。
その後は、お花屋さんではなくレッスンプロとしてお花の世界に携わっていきました。

大河原
最初はお花を販売するのではなく、教える立場としてのスタートだったのですね。

定岡
その通りです。

また、海外のデザインにも興味があったところ、ダニエル・オストという、ベルギー王室御用達のフラワーデザイナーの方とご縁を頂いて、ベルギーでオスト氏に師事し本場のフラワーデザインを学ばせて頂きました。
オスト氏はベルギー国王の結婚式を任されたり、親日家でもあるので、京都のお寺を飾ったりもして、日本でも有名な方です。

大河原
そのような方に教えて頂けるとは、凄いですね。
そこから独立することになるきっかけは、何だったのでしょうか。

定岡
はい。
27歳で結婚をしましたが、結婚を期にアシスタントから自分でフラワーデザインの教室を開いて独立し、今年でちょうど20年になります。

大河原
20年って、とても長いですよね。
おめでとうございます。
教室を持つとき、持ってからも、大変なことがあったと思うのですが。

定岡
独立して前半の10年間は、夫の収入に支えられて自分の楽しみの延長で生徒さんに教えるという 感じでしたので、さほど苦労を感じたわけではありませんでした。
ですが、10年目に離婚をして、自分で生計を立てていかなければいけなくなりました。

大河原
離婚をされたのですね。

定岡
はい。
勿論結婚したら夫婦の間柄を全うするのが一番なのでしょうが、私はこの離婚に関してネガティブに捉えてはいません。
むしろ、離婚することによって、お仕事により本気で取り組むようになりましたし、教室の片手間にしていたお花の販売やフラワーアレンジメントの作成も、店舗を持って本格的に力を入れ始めました。
ただ息子がいますので、その辺りの葛藤は色々とありました。

大河原
育児と仕事の両立については他の経営者様も悩まれていますが、シングルマザーだと尚更だと思います。

定岡
おっしゃる通りです。
朝の5時や6時から仕事が始まって、夜は色々な方とのご縁を作るために、いくつもの会合に出させて頂いたりしました。
ですから、家では息子が1人でいた事のほうが多いかもしれませんが、それでも出来るだけ一緒に晩御飯を食べるようにしたりしました。
息子のほうも、仕事との両立の大変さを解ってくれていたとは思います。

大河原
有難うございます。
教室の経営の方ではどういったことに取り組まれたのでしょうか。

定岡
ちょうどその頃に、西条市が市内の企業に対してセミナーを開いていたので、セミナー参加をして、3 ヶ月間みっちりと経営のことについて学び、その後、今はお休み中ですがウエディングプロデュースにも取り組むようになりました。

大河原
ウエディングプロデュースに関心を持たれたのは何故なのでしょうか。

定岡
その当時の結婚式のあり方に思うところかあったのです。
バンケット主流の結婚式は、招く側と招かれる側に温度差があるような気がしていましたので、本来の結婚式ってもっと温かいもので、新郎新婦を皆が祝福してあげるために集う空間だったと考えているので、その本来の姿に戻したいと考えていました。

大河原
それは、お花に限らず結婚式の全般に携わり、定岡代表がプロデュースをされたのでしょうか。

定岡
はい。
準備の段階では、会場探しは勿論、招待状のデザインから席次表作成、引き出物や引き菓子の用意を業者さんに依頼したり、自分が「ここは」と思うレストランに行って、レストランウエディングをしてもらうこともありました。
また、当日の司会やアテンド、新郎新婦のメイク、写真も含め、私がしたこともあります。

大河原
1人の方にそこまでして頂けると、参加者さんも、されるがままではなくてもっと協力してあげようと思って、結果的により素晴らしい式になりそうですね。

定岡
もちろん大手の式場みたいに大掛かりなことはできませんが、細かいところにこだわった式作りを目指していました。
きらびやかな式場やスポットライトを重視したりするのではなく、結婚式の基本的なところに立ち返り、何処を強調して何処を省きたいのかというご要望を伺って、その上で「こうしましょうか」という提案をさせて頂き、お二人が本当に挙げたい式を提供したいと考えました。

大河原
素敵な結婚式に思えますが、今はしていらっしゃらないのは何故でしょうか。

定岡
徐々に、同じようなことをする業者さんも出てきたり、バンケット自体もお客様を取り入れるために値段を下げてきたりしたのです。
私が考えるウエディングのあり方に取り組んでくださる方が現れたので、「もういいかな」という気持ちが出てきたのでしょうか、改めてお花の方に専念するようになりました。

大河原
なるほど ありがとうございます。
西条から現在の松山に移られたのもお花のお仕事のためなのでしょうか。

定岡
そうですね。
西条時代から、松山にお花をお届けに行くことはしていたのですが、やはり西条よりも松山のほうが市場的に大きいですし、仕事をするにも便利だと考えて移りました。

大河原
有難うございます。
今このお仕事で、一番やりがいを感じることは何でしょうか。

定岡
お花を通して素敵な空間を提案することによって、お客様に幸せになって頂き、喜ばれることです。

大河原
素敵な空間を作るにも、お客様 1 人々々に違った魅力があると思うので、それぞれに合ったお花選びやデザインの仕方を考えていかないといけないですね。

定岡
そうですね。
お花を贈りたいとおっしゃるお客様に対しては、お相手の方の好みは勿論、人となりや雰囲気をお伺いした上で、「ではこういうお花はいかがでしょうか」と提案させて頂いて、ご支度をしてお届けいたします。
また、お客さまにご提案することだけではなくて、お花を仕入れてきたりする時も、生産者さんのところに行ってお話を伺ったり、圃場を見に行ったりします。
また必要であれば直接生産者さんからお花を頂いたりもします。

大河原
生産者の方の伝えたい思いと、お客さまの「こういうお花がほしい」という思いがマッチすれば、お互いにとって嬉しいことですからね。

定岡
そう思います。
ですから全ての物において最善を尽くさせて頂いています。

大河原
最善を尽くす、いい言葉だと思います。
お客さまにお花をお売りするときに、コミュニケーションが大事になってくるとは思うのですが、そこで特に注意すること、絶対に聞いていることはございますか。

定岡
nakakiji-en-reve
お客様に対しては、 どのような想いでお花を贈るのか、しっかりとお聞きさせて頂きます。
お花自体はただのアイテムですが、自分の気持ちを、悲しみは真綿で包むように、喜びはもっと倍増させてお届けすることができるものだと思います。
また、生花は枯れるからと遠慮される方がいらっしゃいますが、むしろ枯れるからこそ咲いている時の魅力がより倍増されるし、頂いた時の感動が大きくなると思います。
例えば、置物を頂けば、それは「この方から頂いた」ということが形として残りますが、お花を頂いて、たとえ1週間で枯れてしまったとしても、「この方からこのお花を頂いた」という感動はずっと残るのです。
目に見える形ではなく、心の中に。
それが大切なことだと思いますし、お花の魅力だと思います。

大河原
いずれ無くなってしまうものを頂いたことへの感動、そう言われると、私も分かります。

定岡
お花を頂いて、嫌な顔をする人はいないと思います。
私がお花をお届けした方々は、それが一本でも、沢山でも皆さん笑顔になります。
お花自体に人を笑顔にできる力がありますし、お花を通して贈る方の想いを、より的確に、効果的に伝えることが私の仕事だと思っています。

大河原
なるほど。
お花を贈るという行為は、想いを言葉でそのまま伝えるよりも相手の心に訴えかける事ができるのですね。

定岡
『100の言葉より1本のお花を』というキャッチコピーもありますけれど、女性の方はお花を貰うと、それだけでもとても喜ぶものです。
お花は人を魅了するものなので、お花の力・魅力をもっともっと広めたいと思います。

大河原
有難うございます。
お花の持つ力を少しでも効果的にするためには、生産者の方とお話をして、より生産者の方の想いが込められたお花を選ぶことも大事だと思います。

定岡
そうですね。
オートメーション化された環境で育ったお花ではなく、生産者の方が一生懸命想いを込めてオーダーメイドで作られたお花を選ぶようにしています。
お花も生き物なので、生産者の方に愛情を込められて育てられたお花は、自動化された環境で育ったお花に比べて咲こうとする力が強いのです。
より長持ちして咲きますし、お花の色も大きさも違ってきます。

大河原
そうなのですか。
それだけ丹精込めて育てられるお花だと、お値段も割高になるのでしょうか。

定岡
お客様もお花を見ると違いをわかって下さるので、高いと思われがちなのですが、仕入原価が高い分、原価率を高くしているので、売価は普通のお花と変わらないと思います。
手頃なお値段でより良いお花が手に入るのであれば、お客様にとっても有難いことですよね。

大河原
有難うございます。
現在は海外にもよく行っていらっしゃるようですが、これはなぜでしょうか。

定岡
はい。
現在、私は国産花卉を輸出するプロジェクトに参加してきました。
愛媛のブランド花であるデルフィニウムを上海に輸出する取組みがあり、現地の業界関係者やお花屋さんに対するデモンストレーターをさせて頂きました。
他にも、同じようなプロジェクトでシンガポール、フランスにも売り込みに行っていますし、もちろん現地の圃場や市場を視察してお勉強をしています。

大河原
そういうところで、海外の圃場や市場をみることで、逆に日本の長所・短所が見えてくることもあるのでしょうか。

定岡
日本のお花も、現在では品質や種類共に世界で十分通用するものになってきていると思います。
オランダのアールスメイヤーという花市場には世界中からお花が集まり、そこからまた世界中に輸出されるのですが、その中には日本のお花もあります。
もちろん日本にも様々な国のお花が品質が良いまま輸入されてきているので、日本と海外のお花を見比べることは出来ます。
日本とヨーロッパなどのお花を見比べて違いを感じることはありますが、どちらがいいと感じるかは人それぞれ、文化や好みの問題だと思います。

大河原
それほどまでに、日本で生産されてるお花も世界で通用しているのですね、知りませんでした。

定岡
ただ、日本のお花を輸出するには輸出コストが高過ぎるのです。
今後はどのようにしてコストを抑えていくかが課題になるのでしょうね。

大河原
なるほど。
今までお花の流通のことはよく知らなかったのですが、お話を聞いて興味が湧きました。
もっと勉強してみようと思います。
それにしても、何度も海外の市場や圃場などを見ていると、定岡代表ご自身も、いずれは海外に住みたいなどと考えられるのではないでしょうか。

定岡
実は、ゆくゆくはパリに住みたいと思っています。
それまでに、お店をもっと大きくし、アンレーヴというブランドをより確かなものにしたいと思います。

大河原
有難うございます。
そのためにも、お花の魅力を一人でも多くの方に伝えることに努めて欲しいと思います。
今後、力を入れて取り組みたいと考えていることは何でしょうか。

定岡
女性だけでなく男性に対しても、フラワーアレンジメントのレッスンをしていきたいと考えています。
一度、男性の経営者の方々を集めてレッスンをしたことがあるのですが、皆様、子供がプラモデルを触っている時のような、とても好奇心旺盛なキラキラした目になりました。
私も含めて経営者は、自分達の会社やお店の経営のことに関して常に考え、戦い続けているのですが、レッスンでお花に没頭している姿を見た時に、お花という、全く世界の違うものを触ることによって、脳が活性化される効果があるのではないかと思いました。
ですから、いつも考えていることを置いといて、違うことを考えられる時間、環境に身をおくことが大切だと思います。

大河原
なるほど。
実は弊社代表の石原も習い事に興味があるので、男性レッスンをしていらっしゃるなら喜んで通うと思います。

定岡
興味を持って下さって有り難いです。
私も、もっとレッスンを開きたいのですが、お花は女性のもので男がすることではないという固定観念がまだまだ強いように思います。
定年退職された方がお料理教室に通ったりしますが、脳を活性化する一つの手段として、そういうことと同じ位置づけにあってもいいと思います。
フラワーアレンジメント一つ取っても、男女問わずレッスンの最中は楽しんでお花を触ります。
触ることによって脳が活性化されます。
そして、出来上がったものを持って帰ったら家族の人が喜びます。これって凄いことだと思います。
家にお花があるということは、それだけで空間が豊かになるのです。
今もこの部屋にお花を置いていますが、一輪でいいので自分の傍に飾って頂きたいと思います。
オフィスでも自分の片隅に一輪あるだけで全然違います。主婦の方には、キッチンでお料理をして、ふっと見上げるところにお花があると全然違うと常々言っています。

大河原
なるほど。
そのようにお花を習う魅力ということを、男性の方にももっと知って頂きたいですね。

定岡
その通りです。
企画して頂けたらすぐ行きますので(笑)

大河原
有難うございます。
男性企画考えます(笑)
最後に、大学生などの若者に向けて、メッセージをお願いいたします。

定岡
人生は一回しかありませんが、無駄なことは一切ありません。
全てのことが自分の人生の糧となって、どこかで必ず役に立ちます。
例え間違って失敗しても、失敗を貴重な勉強と捉えれば、その経験が後に活かされることになります。
とにかく自分がしたいことを色々として頂きたいと思います。
ただ、最近ハングリーな人がいないと感じるのが残念です。

大河原
ハングリー精神を持って、もっともっと、色々なことに取り組んで頂きたいということですね。
有難うございました。
以上で本日のインタビューを終わらせて頂きます。

インタビュアーより

bord-en-reve

定岡代表の教室は、非常に沢山のお花に飾られて、見たり香りを嗅ぐだけでリラックスできる空間でした。
その飾られたお花の1つ1つは定岡代表が吟味して選んだものであり、19歳に「魔法にかけられて」以来、ずっと お花の世界で頑張ってきた成果がこの空間に現れているのだと思います。
また、その中で生まれた「お花の魅力を1人でも多くの人に広めたい」という強い想いも、海外に視察に行ったり、男性向けのレッスンに取り組んだりしたエピソードだけでなく、周りのお花を通して伝わってきたような気がしました。
定岡代表、本当にありがとうございました。
大河原慧

next

乞うご期待!

会社概要

社名:アンレーヴ (En reve)
代表:定岡 恭子
住所:愛媛県松山市西石井 1-9-27 グランジュール702
TEL:089-993-5569
事業内容:・フラワーアレンジ ・レッスン

Random Pick Up

『この記事を書いた人』

愛媛大学
濵村 駿介

『この記事を書いた人』

松山大学
高橋 航貴

『この記事を書いた人』

松山大学
松井 秀樹

『この記事を書いた人』

愛媛大学
北尾 友二

『この記事を書いた人』

松山大学
樋口 真哉

『この記事を書いた人』

松山大学
福山 さくら

『この記事を書いた人』

愛媛大学
大隣 麻衣

『この記事を書いた人』

松山大学
田岡 美紗

『この記事を書いた人』

松山大学
杉脇 丈紘

『この記事を書いた人』

松山大学
岩本 真依

『この記事を書いた人』

西山 和馬

『この記事を書いた人』

松山大学
山本 隆生

『この記事を書いた人』

インターンシップ生
大河原 慧

『この記事を書いた人』

インターンシップ生
藤平 祥太

『この記事を書いた人』

松山大学
坪北 奈津美

『この記事を書いた人』

愛媛大学
兼頭 里奈

『この記事を書いた人』

愛媛大学
高市 奈津美

『この記事を書いた人』

愛媛大学
松本 優香

『この記事を書いた人』

松山大学
大西 清楓

『この記事を書いた人』

松山大学
山田 智也

『この記事を書いた人』

愛媛大学
多賀谷 直樹

『この記事を書いた人』

松山大学
山根 大輝

『この記事を書いた人』

松山大学
川崎 詩歩

『この記事を書いた人』

愛媛大学
矢野 愛茄里

『この記事を書いた人』

松山大学
宮内 真歩

ページ上部へ戻る