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「人生にムダな経験はない!!」

Beauty Salon +N
河渕 なぎさ 代表

  • 2014/8/11
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大河原
それでは始めさせて頂きます、本日はよろしくお願い致します。
学生時代からエステティシャンなど、美容業界の道に進むおつもりだったのでしょうか。

河渕
小さい頃から母親の化粧品をこっそりと使ったりしていたので、
お化粧や美容等に興味はあったのだと思います。
ただ将来それに関する仕事に就こうと思ったことはなく、本当に平凡な学生生活でした。

大河原
当時は化粧については「好き」どまりだったのですね。

河渕
そうですね。

大河原
その後、会社員やアルバイトでレンタルビデオ店の店員等で働いておられたそうですがその時の経験で、
今のエステティックサロンの経営に活かされているものはございますか。

河渕
高校を卒業してから、大手の電機メーカーで資材・部品の調達の仕事をしており、下請け企業さんと金額や納品の交渉などをしていました。
そこで一番最初に直属の上司に言われたことが、
「我々は大手のメーカーのプライドを持って仕事をしなければならないけど、下請けの業者さんがあってこそ仕事があるので、決して奢り高ぶってはいけない」
という言葉でした。

また、最初に担当させていただいたところの社長様が、大阪の職人であり商売人という感じの方だったのですが、年齢を聞いたら私の父親と同じくらいの年齢だったので、そういう立場の方々と対等に話さないといけない難しさや、人との助け合い、持ちつ持たれつで仕事をすることの大切さを学びました。
百貨店では販売員として、接客、接遇のノウハウや商品の販売方法を身に付けました。

大河原
お客様に気持ちよく過ごしていただいて、いかに売上を出すか、と言うことでしょうか。

河渕
そうですね。

大河原
そういうことを考えると、接客業など他人と接する仕事の経験が非常に活かされているのですね。
会社員や販売員として働いていらっしゃった頃に「T先生」という方と出会って、
エステティシャンへの道を進むことを決められたそうですが、その時のお話をお聞かせください。

河渕
当時、私自身が肌にすごいトラブルを抱えていました。
そこでエステティシャンと出合い、自分の肌が健康でいたいと思いこの業界に入りました。
20代前半の女性って何もしなくても肌は綺麗でいられるはずなのですが、私の肌は、見た目は綺麗でも、キメがなく健康とは言えない肌でした。
だからメイクが崩れやすかったり、季節の変わり目には炎症を起こしたりと、肌についてすごく悩んでいました。
また美容好きとは言いながら知識が乏しく、それまでは化粧品店で試供品を貰って、使い終わったらまた別の試供品と言うように、決まったものを使い続けることをしたことがありませんでした。
それで肌にトラブルが出たら病院で診て貰うのですが、治療が終わるとまた試供品を使い続けて肌にトラブル、その繰り返しでした。
そのときに、皮膚科学に基づいたエステティックをしていらっしゃる「T先生」と出会い、私の肌について、
「このままではいけない、本当に肌のことを考えるならもっとお肌のことを勉強してみてはどうか」
と言われたことがきっかけで、そのままT先生にお世話になって、半年で自分の肌がよくなったのです。

大河原
半年で。
そんな短期間で改善できるのですか。

河渕
それは私がまだ20台前半だったということもあると思います。
その時に「この知識と技術を得たい!」と思い、T先生のエステサロンでエステティックを学ばせていただくようになりました。
その後、26歳でT先生のエステサロンの社内資格を取り、35歳で日本エステティック協会の資格を取りました。

大河原
ずっとT先生の下で働くのではなく、ご自身で独立してエステサロンを開かれたのは、
どのような理由があったのでしょうか。

河渕
「私がやりたいエステティック」に取り組むのだったら、自分で1から作るしかないと思ったからです。

大河原
河渕代表のブログにあった「自分が惚れ込んだ化粧品&エステの施術を身につけたい、
同じように悩んでいる方に提供したい」という想いですね。

河渕
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そうですね。
T先生の会社の資格を身に付けてからも、しばらくは百貨店で販売員の仕事をしていました。
それでも休日などを使って大手、個人問わず様々なエステサロンに足を運び、色々なエステティックを体験するうち、「女性の方を美に導くためにこういうエステサロンを作りたい」というイメージが漠然とですが浮かんできました。
それまでは施術を習うためにT先生のエステサロンをお借りしていたのですが、そこでは希望が叶わなかったので、自分で作ろうと考えました。

大河原
色々なエステサロンを巡るのはお金がかかるとは思いますが、自分がしたいことを見つけるための勉強と
位置づけ投資をされていたのでしょうか。

河渕
はい。
今でも他のエステサロンさんに足を運んだり、同じエステティシャンの方と常に交流・情報交換をさせて頂いたりしています。
また愛媛だけではなく大阪など他の地域のエステサロンさんとも繋がり勉強をさせて頂いています。

大河原
そのようにご自分のやりたいエステサロンが見つかってから、実際お店を持つにあたってどのような
苦労や喜びがあったのでしょうか。

河渕
最初から経営者になりたいと思っていたのではなく、理想のエステティックをお客様に提供するには起業するしかなかったという流れだったので、経営については全く無知でした。
一番の喜びといえば、お客様に「ありがとう」とおっしゃって頂くことと、その対価としてお金を頂戴することです。
その流れを作るのは会社員では出来なかったので凄くやりがいもあり幸福感もあります。
また、会社員だった頃と比べると、お金の価値観が変わりました。

大河原
お金の価値観といいますと、会社員ならば会社の方から給料が出ますが経営者となると、
自分で稼ぎに行かなければいけないということでしょうか。

河渕
勿論それもあります。

加えて、百貨店で働いていた時はいわゆる高級ブランドブティックで、8年ほど販売員をしていました。
商品を売ってお金を頂くという流れは今とそれほど変わらないのですが、当然そこには会社から下されるノルマや販売方針などがあり、その中で売っていかないといけません。

それは仕方のない話ではあるのですが、中には「どう考えても売れないであろう商品」もあり、従業員だから仕方ないのですが、今考えるとお客様に押し売りをしていたように思います。
お客様がその商品を手に取って幸せになっていただくために、気持ちよく接客応対をしてお買い上げいただく、という流れを作るのが私たち販売員の役目だったのですが、ノルマやプレッシャーがあってよい接客が出来なくなっていたとは思います。
もっとも、会社や上司のせいにして販売員としての努力を怠っていたかなとも思います。

今では、仕事は「させられている」のではなく「させていただいている」と仕事を頂けている事に感謝するように考えられるようになりました。
それを会社員時代に気付けていたらもっと違う販売員になれたのかなとは思います。

大河原
そういうことは完全に自分で自分のお金を稼がなければいけない状況になってみないと
なかなか解らないものですね。

河渕
そうだと思います。
最初からお金を追いかけるのではなくて、接客対応や顧客満足を追求して施術もさせていただいて、気が付いたら売り上げが伸びている、という感じで今のエステサロンの経営は回っています。

大河原
まず満足していただけることが大事なのですね。

河渕
はい。
その中でも大変なこともあります。
お客様にご満足頂ける技術や商品、知識など、全てを提供することが必要になってきますので、そのために自分の情報をインプットをしてアウトプットし常にアップデートをしていかなければなりません。

大河原
情報のほかにも技術も当然磨いていかないといけませんね。

河渕
そうですね。
そのためにも講習会や勉強会などに出席しています。
私にとってエステティシャンは天職だと思っているので、そこを苦労とは感じませんが、プライベートな時間も仕事のことを考えているので、休日はありませんし、労働時間は会社員時代よりも長くなりました。

大河原
そうして絶えず技術や知識のアップデートを繰り返す中で、経営を始めた頃と
今とでは、エステや経営について、考え方が変わったことというのはありますか。

河渕
感謝することが増えました。
お客様に対しては、私のお店を選んで来店してくださったことに感謝しています。
また家族や友達などにも感謝しています。
全てにおいて、人は一人では生きられないことをとても実感しています。

大河原
色々な方と接することで、今のご自身があると。
その中でも特にお世話になったと感じられる方はいらっしゃいますか。

河渕
通常経営者の方は、起業にあたり運転資金をある程度用意するものだと思いますが、私の場合は個人的な借金を抱えている状態からのスタートだったのです。

一時期、一人暮らしをしていたのですが、実家に帰ったことで、食住の面で両親に助けられました。

勿論、私をこの世界に導いてくださったT先生にも感謝しています。

大河原
周りの方の助けがあったのですね。
ターニングポイントは何ですか。

河渕
私のターニングポイントとして2点あります。
まず、ひとつめはエステサロン開業のときです。
周囲から反対されたりもして不安が大きかったのですが、やりたい気持ちの方が大きかったですし、出来ない言い訳を探すより、出来る方法を考えた方が前に進みますので、
「本当に自分がやりたいのだったら前に進むしかない」
と覚悟を決めました。

エステサロンを始めるにあたり、部屋を借りたり備品を仕入れたりしなければならず、私に出来ることとして、まず会社員時代に買ったブランド品など売れる私物を全て売りました。それで資金を作りつつ、自分にとって必要なものと不要なものを整理しました。
また、集客をするための広告費もないので、独学でSNS集客を学び、寝る時間を削ってパソコンと向き合って、サイトやフェイスブック、ブログを充実させていきました。
今ではそれが実を結び、SEO対策も出来ていますので、「松山市 エステ」などと検索していただければ上位に私のエステサロンが出るようになりました。
そうした強い思いでエステサロンを立ち上げたのがひとつめのターニングポイントです。

ふたつめは、1年ぐらい前に、T先生から離れて、独立することを選んだ時です。
それまでの私のエステサロンは、T先生の会社の支店のような形になっていまして、そこから技術や化粧品を提供していただいていました。
私は比較的自由に動かせていただいていたのですが、本当に私の作りたいエステサロンを作るためには、それでも出来ないことが多かったですし、無理に自分の気持ちだけで突っ走ってしまうと、先生を巻き込んでご迷惑をおかけしてはと思い、T先生から離別を選択しました。
組織はいろいろありますからね。
その時はT先生を裏切ってしまうような形で申し訳なく思いましたが、今では応援をしていただいているので、T先生には感謝の気持ちしかないですね。

大河原
起業、独立とかなり努力をしていらっしゃるのですね。

河渕
自分から「頑張っています!」と言うのは好きではないのですが、
周りから「よくやってるね」と声を掛けられることで私は頑張れているんだなと思えます。

大河原
その頑張りも、目的がはっきりしていて、成果に結びついているのが素晴らしいと思います。
お客様に満足して頂くために、お店の雰囲気作りなどで特に工夫されていることはございますか。

河渕
私が販売員をしていたときに学んだことなのですが、人は3秒でそのお店の印象を判断するのだそうです。
ですので、お店の扉を開けたときの香りや、衛生面、鏡や照明といった様々な備品の配置など、挙げればキリがないほど考えています。

大河原
お客様が五感全体でよりよく感じていただけるようにと思っていらっしゃるのですね。

河渕
実際に私がお客様になりきって、入店からソファに座ってみたり、施術ベッドに寝てみたりしながら細かく考えています。

大河原
なるほど、お客様の視点でご自身のエステサロンを見てみるのは確かに効果的だと思います。
河渕代表は釣りが趣味で、あちこちの海を訪れていらっしゃいますが、どこに魅力を感じられたのでしょうか。

河渕
私は三姉妹の末っ子で、父親の趣味の中で女の子でも出来るものが釣りだったのです。
子供のときに、父親の見ている世界をちょっと見てみようという好奇心があって、父親の釣りに同行したらハマったのです。

大河原
お父様の趣味だったのですね。
子供のころからお化粧が好きと聞いていたので、もっと少女趣味的なことに興味があるものと思っていました(笑)

河渕
私を知る人からはよく、「中身はオヤジだ」と言われます(笑)
楽しみや気分転換の目的もありますが、釣って、捌いて食べることが生命に感謝することに繋がります。ここでも「感謝」ですね。
後は、海の上って紫外線が強く、照り返しもあるので、自分で自分に日焼け対策をして効果を確かめることも出来ます(笑)

大河原
自ら実験台になるというのもすごいですね。

河渕
自分の身体は実験材料だと考えていますので。
お客様より先に自分が試して、納得いくものだけを厳選したいと思っています。

大河原
有難うございます。まさに「自分が惚れ込んだ化粧品をお客様に提供したい」という思いの体現ですね。
今後の目標や、してみたいことなどはございますか。

河渕
「エステティックを通じて美を磨ける、美を磨けば人生観すら変わる」
これを一人でも多くの女性にお伝えしたい、美のために出来ることをしたいという気持ちはエステサロンを立ち上げたときと変わっていません。
その上で、「あなたに出会えてよかった」という風に指名していただけるエステティシャンになりたいと思っています。
そのためには勉強を重ねてチャレンジもしていきたいので、もっと資格を取ったり、来年からは医療的なアプローチが出来るように、東京のスクールに通って勉強する予定です。
また、経営者としては、私のようにすごく美容に興味がある人をマネジメントしていきたいと思っています。

大河原
同じ志を持った人を育て上げる、ということでしょうか。

河渕
そうですね。
資格を取らせるだけではなくて、エステサロンを経営する上で私がしてきた失敗や苦労も含めて、お客様にどういうアプローチをすればいいか、手や目線の運びなどまで教えられるようなマニュアルも作っていきたいです。
他にも色々ありますが、エステティックをより追求していくという軸はしっかりと持ち続けます。

大河原
有難うございます。
最後に、大学生など若者に向けてメッセージをお願い致します。

河渕
私もまだまだ若輩者ですが、「百聞は一見に如かず」と思って行動した方が、自分の血肉となると思います。
私自身は現場が好きで、一生現場から離れることはないと思いますが、何かを始めるときはいつも全身で色んなことを感じながら動くようにしています。
就職活動をするときも、その会社の資料を見るだけではなく実際に会社に行くようにしていました。

そこで自分の五感を使いながらエントリーしていたので、実は今まで就職試験に落ちたことがありません。
現場からわかることはすごく多いですよ。
人から聞いたり、ネットで調べるのも大切ですが、やはり自分で動いて体感すべきです。
そうすることで、自分が感じ、選んで決めたことだという覚悟や責任感が生まれるのだと思います。

また人と話すなら、メールよりも電話や直接会って声を聞くほうが大事だと思います。
私は販売員のときに、人の声のトーンや目の動きから読み取れるものはすごく多いことに気付いたので、怖がらず人に会って欲しいです。
これからの若者って大変だと思いますけど、だからこそ、やりがいもあると思うので、一歩一歩、他の経営者の方のインタビューも読みながら歩んでいって欲しいと思います。

大河原
なるほど、確かに現場や肌で感じることは大事ですね。
しかし実行に移せない人も多いのではないかと思います。

河渕
そういう人は、今の自分がそこまで切羽詰ってないからだと思います。
人は本気になれるスイッチが入ったときに、思いもよらぬエネルギーを発揮できるので、漠然と思っているけど動けないと言う人は、自分の中で整理をちゃんと付けられず、決められないのではないかと思います。
忙しいと言っている人は、それを口実にしてやらないというだけではないでしょうか。
経営者の方で、忙しくても実行している方は沢山いらっしゃいますから。

大河原
すると、忙しいことが辛いことではなく楽しいことになりそうですね。

河渕
そうですね、忙しいは「心」を「亡くす」と書きます。
心をなくしてはいけないと思いますので、私は忙しいと言う言葉を使わず、充実しているなどに置き換えて使っています。
そうすると考え方も前向きになれます。
フェイスブックでも「今日も忙しかった」より、「今日もおかげさまで充実した1日でした」と書いていますから。
周りからは「忙しそう」とよく言われますけどね(笑)

大河原
普段使う言葉を変換することで「前向きに」そして、覚悟を決めることで自分のしたいことに対して行動として取り組めるのですね。
本日は貴重なお話をお聞かせ頂き、まことに有難うございました。

インタビュアーより

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スケッチブックにお書き頂いた「人生に無駄な経験はない」という言葉。
河渕代表はこれに、「神様はその人が乗り越えられる試練しか与えない」という言葉を引用して、どんな試練も、乗り越えればよい経験になると思って突き進んで欲しいとおっしゃいました。
河渕代表にとっての試練とは、過去のご自身の肌の問題や、起業までに就いた仕事での悩み、起業のための資金調達といったことだったのでしょう。
しかしこれらを乗り越え、お客様に喜ばれるエステティシャンとして成長の糧とすることが出来たからこそ、今の河渕代表があるのだと思います。
大河原 慧

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乞うご期待!

会社概要

社名:Beauty Salon +N
代表:河渕 なぎさ
住所:松山市南久米町262-3 第二ゴトービル2階
URL:http://www.nagisan.com/
事業内容:・美容業エステ

サービス紹介

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